服の乱れは心の乱れ-俺の青春ラブコメは騒がしい!-
兎神 入鹿
第1部
プロローグ
服はピシッと!
「ピピピピッ! ピピピピッ! 」
時計のアラーム音が部屋に鳴り響く。
「マジか、もう朝か…」
ベットの中から起き上がり部屋を出て2階にある洗面所で顔を洗い、キッチンに降りていく。
「あっ! おそようおにぃ!」
「遅くないから、それとおはよう美鈴。今日の朝飯は何? 」
そういってテーブルの上に置かれているお皿を見るとそこには目玉焼きとハムが乗っかったトーストとサラダにオレンジが盛り付けられていた。
「おぉ~、今日は完璧じゃん! 」
そういってテーブルに座り、トーストを食べようと手を伸ばすと
「おにぃのはこっち(笑)」
そういって目の前に置いてあったお皿にハムと……。
「何この茶色い物体は? 」
そういって美鈴を見ると美鈴は笑って
「美鈴特製! 【納豆オムレツトースト】だよ♪ 」
そういって舌をテヘッ♪ と出して笑っている。
「だよ♪ じゃねぇよ! 今日から新学期でしかも俺の転校先はお前と一緒の櫻女子高じゃなかった! 櫻高校だぞ!いくら今学期から共学になったからって、もとは女子高だぞ! そんなところに朝から納豆食べて行くか普通…仮にも俺は櫻ヶ丘で生徒会長だったから挨拶しなくちゃいけないんだぞ…」
そういって美鈴を見ると今にも泣き出しそうな潤んだ瞳で
「私がせっかく作った料理なのに食べてくれないのおにぃ…? 」
なんてことを言ってくる。なんだよ、俺が悪いのかよ!? だけどもう
「分かった、食うよ! 食べさせていただきます! 」
そういって俺は美鈴が作った【納豆オムレツトースト】を食べた…。口臭は気になるけど予想以上に旨かった。
◆◇◆◇
「おにぃ早く早くぅ~! 今日は始業式だから校門に風紀委員がいるから絶対遅刻できないんだってば! 」
そういってその場で駆け足をしている美鈴が俺に声をかけてくる。
「すまん美鈴! ベットが気持ちよくて誘惑に勝てなかった! 」
そういって美鈴のあとを追って俺も走っていく。
「もぅ~! 遅いよおにぃ! それでもサッカー部なの!? 」
そういって美鈴は立ち止まり、後ろを振り返えって首を傾げている。
「陸上部で長距離専攻の次期エースと比べるな! 」
俺はそういって膝に手をつき息を整えていると後ろから
「よっ!
声をかけられたと思ったら背中に跳び乗ってきた。
「おまっ、
そういうと美鈴も
「そうですよ!
慶次は美鈴を見て
「そっか! 今日から
慶次は嬉しそうに美鈴に話しかけると
「私はおにぃと一緒に登下校するので大丈夫です♪ 」
そういって美鈴は隣に来て、俺の腕を組んで先を進もうと歩き出す。
「ちょっ、待てって! 」
隣にいる俺を引き摺りながら美鈴は歩いていく…。
◆◇◆◇
「ちょっとそこ! ブレザーを腰で巻かない! ブレザーは着るためにあるんです! しっかり着てください! 」
校門から女の子の声が聞こえる。
「おにぃ! おにぃもほら! 服はピシッとしなくちゃね♪ 」
そういってネクタイとブレザーを美鈴がピシッとしてくれた。
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