仮面

 誰もが仮面を付けている世界。

 その仮面は泣いたり笑ったり、様々に表情を変える。もはや自分の表情を隠すどころか、欺くための代物として機能していた。皮肉なことに、そのお陰で世界は円滑に回っているらしい。

 私も、差し出された仮面に手を伸ばす。付けたその瞬間、一人の人間が死んでいく音がした。

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