同じ空の下

 花火大会の帰り道は、手を繋いで歩く浴衣のカップルで溢れていた。「私たちは同じ空の下で繋がっている」とはよく聞く文句だけど、僕が今日見たあの美しい花火は、君の街の空には上がらない。

 普段は恥ずかしくて鞄に入れているリングを、今日は指につけた。誰が見るでもない、苦し紛れの強がりだった。

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