第12話 改築

 昔、家を改築することになり、私の部屋も広くしてもらえました。

 例の押入れの横に、勉強机を入れるスペースを作ってもらい、改築が済むと、そこに机を入れました。


 寸法を測って入れてもらったので、大きさがぴったりでした。

 教科書やノート、筆記用具を入れ、コンパクトに収まっていい感じです。


 机は西の方を向いていて、北側に小窓があります。

 泥棒除けの柵があり、閉まっていると外が見えない曇りガラスです。


 夜中までそこに座って小説を書いていました。

 ずっとそこに座っていました。


 なかなかいい感じです。

 集中していると、いきなりバンという、とても大きな音がしました。


 窓ガラスが叩かれた音でした。

 私の部屋は2階で、窓の外は屋根です。


 曇りガラスではっきりとは見えなかったのですが、白い手のようなものが見えました。でも、体は見えません。


 時間は夜中の2時くらいだったと思います。

 慌てて机から飛び退きました。


 さすがに窓を開けて、外の様子を見ることはできませんでした。

 しばらく自分の部屋で寝るのはやめ、勉強机は物置と化しました。


 今もその机を見ながらこの話を書いています。

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