真面目な実話怪談…あまりに多いけれど
@y5yk
第1話
自分は都内の大学を卒業後、中国地方のとある中小都市の実家に戻り塾を開いた。
やがて、当時すぐ前に有った主に既卒生を指導する予備校の手伝いも始める事となる。
勉強に追われ、ぎりぎり追いつめられている若者達の、恐怖体験エピソードをご紹介したい
と思う。
A君の体験。彼は医者の息子で、何年も浪人を重ねここにたどり着いた。以前は、大都市の
寄宿舎付きの大規模予備校にもいたことがあるという。
当時、成績は優秀なのに不真面目で、いつも数人で徒党を組んで授業をさぼり、校舎の屋上にたむろっていた不良達がいたという。何事も小馬鹿にしてタバコを吸うは食べ物を喰い
散らかしたりのしょうも無い連中だった。
ある日、上記の医者の息子のもとに、突然彼らが泣き泣きやって来た。
何事かと聞けば、部屋の窓の外に誰かが立ってるというのだ。それも、血まみれの男性が
寄宿舎のそれぞれの部屋にあるベッドの窓際にである。当然ビルであるから、そんな場所に人が立てる訳はない。
そこで、くだんの医者の息子は鼻先で笑い、嘘付け!おまえらさぼってばっかだからそんな
事を言うんだろと真に受けず、追い払ったという。
すると…その夜、このA君の部屋のベッドで、寝ていた彼に信じがたい現象が襲いかかった
のだという。まるで何者かによって、凄まじい力で寝台から横方向にど突かれるようにして、
遂に、彼はベッドから床に弾き飛ばされてしまった。さすがに窓の外に何者かが現れるという所までは体験せずに済んだが…。
当予備校の教師たちの話では、この不良連中は、屋上の縁に祀られていた小さな祠の様な
ものに、吸殻を擦り付け、供えてあった物を蹴散らし「何だよ、きったね~」等と暴言を吐き、
酒盛りまでしたという。後で分かった事では、以前ここの生徒であった少年が、勉強に悩み
ここから飛び降り自殺をしたので、その供養をしてあったという話だった。
亡くなった姿はまさに「血まみれ」だったという。
A君は、僕が彼らの話を信じず、笑ったりしたからとばっちりを受けたんだと思いますと語った。
彼は、家でも勉強は良くしていたが、やはりそこは怠け心も出てさぼりがちになる事もあり、
机の前で寝てしまった日に、急に勉強部屋の壁に友人の姿が現れて「お前もう寝るのか?俺は勉強するぞ」と話しかけられた事もあったそうだ。
その友人は、勉強中にガスストーブのホースが抜けて死んだはずだった…。
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