初めてのLIVE~in福岡公演~
@kannzaki7700
第1話 初LIVEは現地。
アイドルマスターという世界に触れて数年。まだLIVEを見れていなかった私が重い腰を上げたのは、福岡公演でした。
「いやー、やっぱそういうの鹿児島じゃ遠くてなかなか行けないんですよねー」
という言葉を何度口にしただろう。いつかは行きたいよね、なんてセリフもどこか諦めのように近いものだった。
だからこそ、福岡での開催が決まった時、私は心に決めたのだ。
ここを、この福岡公演を初ライブとする!!
ということを。
シリアル使わないからあげるよー、と快く渡してくれた同じプロダクションの方々のおかげでチケットを入手出来た私はその日、北九州小倉の地を踏んだ。
2017年7月29日。
クソ暑い、お昼を過ぎた頃だった。
THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS 5thLIVE TOUR Serendipity Parade!!!
現地に着く前から少しばかりテンションが上がっていた。それは仕方が無い。
これまでLVはおろか、LIVE自体未体験なのだ。数年前のライブDVDのPVを少し見たことはあっても、実感が湧くはずもない。
今年五月に同じ担当の方と会う機会を頂けた時に「行ける時にいけ」と言われたのだが、私は行かなかった。
六月には別の方と東京で会うことが出来て「見てた方がいいかも?」と言われたのにも関わらず見に行かなかった。
どうしてそこまで頑なに拒んでいたのか。
それは初ライブを現地で見て、すべてを新鮮な気持ちで見たいという我が儘だった。いろんな物を吸収して帰りたいと願ってしまったのだ。
……今思えば、本当に下らない意地だったと思う。
現地に降り立ち、最初に思ったのは「歩いている人全員Pさん?」というレベルで、皆さんさまざまなTシャツを着ている、ということでした。
公式のTシャツや、アイドルのTシャツ。法被もあって、「あっ、これTwitterで見たやつだ!」と一人テンション上げていました。
私も、プロダクションの方で製作された『チアフルボンバーズTシャツ』(日野茜・姫川友紀・若林智香のユニット)を負けじと見せるように着ていました。
地元鹿児島でも、時折そういう人を街で数人見かけることぐらいはあっても、集団や大量に見ることはなかったのですごく嬉しかったですね。
大勢の人の流れに乗りながら会場に着いて、まず目が止まったのは――馬車。
今回参加するアイドルを紹介する映像が映し出され、流れてくる音楽に期待感がどんどん高まってゆく。二日目の朝に突撃して映像を撮ってみたけれど、あそこが一番暑かった気がします。
隣にあった声優さん達のサインやコメントをフォロワーさんの為にパシャリ☆と撮ってそのまま移動。
私はここで、大きなミスを犯します。
撮ったのは良いものの、そのサインや声優さんのコメントを、しっかり読んでいなかったのです。
福岡に来るまでの私は九州に来たからいくぞー、であって、担当ではないアイドル達のことを良く知らずにいたのです。ラジオも聞いたりも見たりもしていないし、今回参加する声優さんのことも把握せずに来ていました。
一つの楽しみ方としてはそういうのもあるよねと、東京で会ったプロダクションの方(というか二日間の同行者さん)に教えて頂いたのですが、それもやっていなかったのです。
こればかりは本当に、一日目に響きました。
まぁ、それもまた初ライブだよね。
そして次に足を向けたのは、会場前にあるフラワースタンド。
Twitterのほうではフラスタと呼ばれているもので、つい最近までその意味をまったく知らなかった。というより、同じアイドルにも違うフラスタがあるのか!と一人驚いていました。
しばらく順番に眺めていると、アイドル・声優さんに対する愛情がなんだか伝わってきて、こういうのっていいなぁと早くも涙腺を緩ませておりました。(是非とも、若林智香ちゃんでもやりたいなぁ)
あそこに自分の名前があると、すっごい嬉しいだろうなぁ。ホント。
その中央にボックスがあって、アイドルや声優さん達に向けたプレゼントを贈る箱を発見。実物を見るのは初めてだったので、そこでも一人感心。
しばらくして同じプロダクションのメンバーと合流。写真を撮り、いざライブ会場へ入場!
列は中間辺りの左側。会場に入ってみると、少し肌寒い。
これでライブ……? あ、城建ってる。
高鳴る心臓を抑えながら、席へ。
パ、パイプ椅子なんですね。ほ、ほほう。てかこれ近いな。同行者さん良い体格してるからぶつかるんじゃね?
そんな焦りを感じつつも、時間は刻一刻と進んでいく。同行者さんは重装備されたサイリウムの点検をしながら、ゆっくりとその時を待っていた。
私が持ってきたのは色が変わるサイリウム二本。UOは三本。
正直、折る方法も、タイミングも分からない。でもなんとかなるさと私は思っていた。だって色変わるやつだもの。
そして時は暗転と共にやってくる。
次々に協賛企業の名前がスクリーンに映し出されると、Pさん達はその企業名をコールしていました。驚いた。隣はあたかも当然といったように大きな声で言っている。頑張って続かなければと、なんとか「スニッカーズ」だけ言えた私。ブロッコリーは別の猫耳アイドル(王女様)がアニメしていた時期しか知らないので、ロゴが変わっていることに思わず「おー」と言ってしまった。
次に現れたのは、シルエット姿でも緑色が眩しいちひろさん。
注意事項を教えてくれながらも、屋台に行きたいと話していましたね。しかし、ここは小倉なんだよなぁ……と内心思ったのは他のPさんもでしょう。ちひろさんの間は皆さん緑色のサイリウムとしっかりとした返事を返しているのがとても良かった。
そうこうしていると、彼女達の足音が聞こえ始める。
あぁ、ついに始まるんだ。
私は少しばかり遠い場所から、じっとその中央を眺めながらLIVEを待つ。
そして。
私の初めてのLIVEが、幕を開けたのです。
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