婆・女神転生
氷ロ雪
プロローグ
過去や未来の幸福さえも……。
西暦2145年
超高齢化が進む社会で高齢者による巻き込み事故は後を絶たず、轢かれた人間は全ての幸せを理不尽に奪われていた。
そしてやがて、罪の意識さえ蝕む機械化された身体は老人達の危険運転を助長させていた。法規を無視し、車から降りる事を拒否した老人達は若者達から搾り取った税で自らの身体すら機械に挿げ替え、速度を貪り食う「改造老人」となる。
次元境界線、その狭間の世界そこを司る巨神達。そこに高齢者による巻込事故により命を失った憐れな者達の魂が流れ着く。
理不尽な死を迎えた者達への救済措置、世界の盟約に則り施行される転生制度の発足。
彼等はその享受されるべき幸福と共に境界へと訪れたのであった……。
彼等はその身に無念に揺蕩う幸福を宿し、力を得るのだ。
それは理不尽な死を迎えた者達が残す幸福の残滓であり永遠の命を得た者への枷でもある。まさに呪い。
彼等転生者は境界の門を潜り彼の地へと向かう。彷徨うそれは放浪者のように。
望もうが望むまいが……。
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