犬「軍手が落ちてる」

ellleco

 

犬「軍手が落ちてる」


犬「どうして軍手ってこんなに落ちてるんだろう? 人間ってバカなのかな?」


人「あ…! あった!!!」


犬「?」


人「おい、おい! どけ!」


人「それは僕のために置いてあるんだ! ”それ”から離れろ!」


犬「それ? 軍手?」


犬「……」


人「そうだ、そう。よし、よし、いい子だ。」


人「僕らは選ばれたエリートだから、致命的な失敗があってもやり直せる秘密を持ってるのさ。」


人「”これ”が見つかってよかったよ。」


犬「?」


人「なんだ、分かんないって目をしてるな。」


人「僕はさっき、オフィスで転んだ拍子に核兵器の発射スイッチを押してきちゃったところでね。」


人「このままでは世界が滅びちゃうからね。ウフフ」


人「さ、ロードロード…」


人「よし」


人「おや、こんなところにビービー弾が落ちている。懐かしいなあ」


犬「あっ、それは僕らのロードポイントだよ! さわるな!!!」


犬「バウバウバウバウッ!!!!」


人「うわっ、ひっ、ひょええ~~~~っ!! 命だけは、命だけは~~~~っ!!!」


ステーン!


人「あ、あっ!」


人「しまった、転んだ拍子にまた核兵器の発射スイッチを押してしまった!!!」


人「くそっ…ロードポイント探すの結構大変なんだぞ!!!」


人「このブタ!!」


人「軍手、軍手…!!!!」 スタスタ…


犬「僕は犬だよ」


犬「しかし、人間はセーブデータがひとつしかないんだな…」


犬「僕らはデータを共有してるのに」


雀「チュンチュン」


ひゅーん


ポト


犬「あ、」


犬「しまった、鳥のをロードしちゃった」


◇ ◇ ◇


「おはよーポチ!」


「あれ、鳥のフンついてるよ。落とされちゃったのね、あはは」


犬「チュンチュン!!!」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

犬「軍手が落ちてる」 ellleco @ellleco

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ