第17話 再会6

 翌日からリーを連れて宗久の地図をもって廃坑に行く。4日目に初めて宗久の言う廃坑を探し出した。この辺りは柳生の下忍の死体を発見されてから50人ほどの兵が巡回している。

「確かにこの廃坑に間違いないわ」

 リーが暗がりから顔を出してくる。

「宗久の言うには南蛮船でも後3回はかかるだろうと。だからこのありかを知られてはならぬと言うことだ」

「明日は下忍を連れてきて藩の内情と船への荷の運び出しを検討しましょう」

「いやリーは廃坑から港までの道を今から調べてくれ。私は今から藩に潜ってみる」

「慌てすぎでは?」

「いや下忍を入れるのは危険だ」

 リーと別れると茉緒は草むらの道を走る。この道を通すしかないだろう。荷車はここしか通れない。藩に行くにはここから左に曲がる。少し行くと町の木戸がある。ここには5人ほどが常駐している。だが抜けるのはわけはない。

 この藩は城と言うほどのものがない。屋敷に形だけの石垣が並んでいる。気になるのは柳生だ。道場を見つけて忍び込む。道場ではまさに稽古中で目の鋭い侍が竹刀を持って立っている。門下生を指導しているようだ。昔抜け人村で見た柳生より強そうだ。

「ただいま戻りました」

 昼に何度か見た見回り隊の隊長が入ってくる。

「どうだ何者か分かったか?」

「修験者ではなく忍者のようです」

「だが服部はここには立ち入り禁止になっておるからなあ。まさか藤林が蘇ったと言うのか?修験者の在りかもわからぬか?」

「あれから姿を見せておりません」

「よし手のものを連れて山に入ろう」




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