第14話 再会3
翌日下忍の話を聞きながら獣道に入る。先頭はりーが歩き息子が後ろに張り付いて歩いている。だがリーは全く相手にしていない。
「港は藩の役人が小屋を建てて見回りに来ているようです」
「服部はあの戦いの後消えたようです」
「今は師範代の柳生が下忍を鉱山跡を見回りさせているようです」
と入れ替わりに茉緒の横に来て話していく。
「今井宗久の噂は?」
「見た人はいないようです。ただ屋敷が火災にあったのは事実ですが、死体は発見されていません」
「修験者の噂は?」
「これも見たものがいませんが、生き残った 服部の下忍は修験者が攻めてきたと言い残しているようです」
3刻も登ると深い谷に入った。リーが先頭を止めて茉緒の横に来る。
「ここを見てください」
指を指したところに通り過ぎてしまうような石を重ねたものがある。
「これはあの修験者が好んで作る守りの印です。この印が2か所で挟まれているのは門のようなものです」
「だがこの先は切り立った崖だが?」
「だからここを選んだのですよ」
だが実際に1刻後に崖にぶつかって行き詰る。もうすっかり日が暮れた。リーはそれでも歩き回って茉緒の元に戻ってきた。息子が待ちかねたようにリーのそばに来るが、彼女は振り払って茉緒の横に寄り添うように寝る。
「リーは果心居士に抱かれたことがあるのか?」
「果心居士は肉体的に抱くことはありません。夢の中に誘い込むのです」
「ならあれは夢だったのか?」
「天国に入ったような気分になる」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます