第二話『プロフェッショナル』

 美奈子や理奈が帰った後、僕は優実と夕食の片付けをしていた。


「やれやれ、こんな毎日を過ごしていても世界は何にも変わってないんだよな。ホントにまいっちゃうよ。」

「何だろうね、お兄ちゃんが言うとしっくりくるようなこないような。」

「そこはしっくりくるって言っておいてくれよ…」

「あっそ、しかしながらね、お兄ちゃん。明日から入学式なのはわかっているのにどうしてそんなのんきに過ごしているのかな。」


 ほっとけ、僕だって懸命に生きているんだ。

 生きていることに関しては希少価値なんてなんだよ。


「そうそう、付け加えて言うけどお兄ちゃん。まさかだけどまた中学の入学式みたいな自己紹介するの?やめてよね。」


「えっ、何で?あれで結構僕がボッチである価値が分かってくれるような自己紹介だと思うけど…」

「それを自分の心に聞いてみてよ。」


 そう、僕は中学の時の自己紹介にてとんでもないことをやらかしたのだ。


「ほな、それじゃあ、今日から中学校生活が始まるわけなんやけどもまずは、クラスの名前を覚えないといけないよな。先生も覚えたいし。という訳で今から自己紹介をしてもらう。一番の奴から順に。」


 中学校の登校初日。

 関西から来たという担任の先生からの一言で教室の机でグースカ寝ていた僕はむくりと起き上がった。


「それじゃあ、次は…石倉!お前や。」

「はいはい…」


 眠気が取れていないまま席を立つ。

 比較的名簿番号が速い僕は早く終わんないかなと思いながら教壇の前に立つ。


「えっと、石倉晴馬いしくらはるまです。どうぞよろしく。」


 僕は一言だけ言うと机に向かった。

 その行動を見て先生がとめる。


「ちょおい、待ちいや、石倉。他になんか言うことあるやろうが。」

「えっ、他に言うことあるんですか?」


 僕は驚き、先生の方を見た。


「黒板に発表する内容書いてあるやろ。せめてそれの通りに言わんとあかんわ。」


 先生の言葉で僕は初めて黒板を見た。

 そこには白い文字でこう書かれた。


『1、名前。

 2、小学校の思い出。

 3、中学校に入って何をしたいか。

 4、みんなへの一言』と書いてあった。


 やれやれ、面倒くさいけど、先生にねちねち言われるのはもっと面倒くさいな。

 しょうがない。言うか。


「あー、分かりました。それじゃ、順番通りに言わせてもらいますよ。」

「ほんでいいんや。」


 先生は納得した表情で座った。

 僕は再びみんなに向けて一つ一つ言い始めた。


「改めて、僕の名前は石倉 晴馬いしくらはるま、小学校の思い出と中学校に入って何をしたいかは特になし、気長に過ごせていればそれでいいと思う。皆への一言は『別に友達とかそういうのはいらないんで、それに邪魔だし、特別扱いとかもっと邪魔でしかないので愛想つかさなくてもいいですよ。』ふぅ…言いたいことは言ったんで先生、これでいいですか?」


 瞬間、教室内が静寂に包まれた。

 それもそうだろう。

 いきなり、友達になるなって言われているんだから。


「先生?聞いてますか?」


 僕は口が開いたままの先生に再度聞いた。

 先生はフッと我に返ったのか口を閉じ、返答をした。


「あ、ああ、OKや、ご苦労さんな石倉。」

「あーい。」


 僕はそう言って静寂のクラス内を横切るように自分の席に座り再び寝始めた。

 やれやれ、自己紹介一つでなんでこんなに疲れないといけないんだか…。


「あー今、思い返してみると確かに、とんでもないことをしているよな。僕って。」

「やっと、そういう自覚があるようになってきたんだ。それにしてもあたしに言われてからってお兄ちゃん遅くない?」

「やかましいわ、僕より一年遅くに生まれてきたやつが何を言っているんだ。」

「むー」


 刹那、僕と妹は近くにあったそれぞれの武器を持った。

 僕はフォークを、妹はスプーンを持った。


「やる気?お兄ちゃん。こうなったあたしを止められると思うなよ。」

「言ってろ、いつまでもやられてばっかりの兄貴だと思うなよ。」


 瞬間、僕と妹は互いの武器を互いの武器にぶつけさせ戦いが始まった。

 だが、そんな戦いは兄弟だからできるものですぐに終わるものなのだ。

 僕はフォークを置き、手を挙げた。


「はいはい、僕の負け負け。お前の勝ちでいいよ。」

「何それ、お兄ちゃんがあたしに勝てるのって身長くらいじゃん。」

「大きなお世話だ。」


 他にもいろいろあるもん、身長とか勉強とか…意外にも少ねぇな。


「まあ、あたしはそんなお兄ちゃんだから許しているんだけどね。」


 一家の主かお前は。

 まあ、そんな性格だから僕もこいつには手が挙がらないんだけどな…。


「とりあえずお前は今年から受験生だろ、いいのか?勉強しなくて。」

「勉強はするもん。行きたい学校とか決まったし…」

「ほう…んでどこに行くんだ?」

「お兄ちゃんと同じ高校だよ。お兄ちゃんが心配だし。それにあたしは別の理由であの中学嫌いだから高校申請も出して無いし。」


 ま、まじか…。

 いや、まあ来てほしいとかそういうのじゃないんだからね。

 って、アホか。


「そうか、うちは偏差値それなりにないとダメだから頑張れよ。ま、お前なら大丈夫か。」

「どうしてそう思うの?」

「決まってんだろ?僕の妹だからだ。」

「あっそ。くっだらない理由ね。」


 くだらない理由とはなんだ。

 僕にとっては重要な理由他ならない。


「ま、いいや。ありがとね。お兄ちゃん。」

「ああ。頑張れよ。」

「うん。」


 そんな会話をしながらだが、洗い物も終わり、僕は一人自分の部屋でのんびりとしていた。


「眠い…」


 尋常ないくらいの眠気に襲われていた。

 かつて人々はこのような眠気を与えたことがあるだろうか。

 体が動きたくても動けない。

 行かなくちゃと分かっていてもいけない。

 そう、これすなわち、古今東西、誰もが知っている『五月病』と呼ばれる恐ろしい病なのだ。

 実際はそんな病気は出まかせという話も出ているけどな。

 別にどうということはない。


「さてと、寝るか…。」


 僕は枕元に置いてある携帯電話を手に取ってアラームを設定すると布団をかぶって「おやすみ」と誰もいない空間に呟いた…。

 はずだった。


「おやすみなさい。晴馬くん。」

「えっ…」


 僕は勢いよく布団をはがすと帰ったはずの美奈子が僕の部屋に来ていた。


「何でお前が…さっき帰ったはずじゃないのか?」

「ふふふ…ボクは晴馬くんの行動を随時チェックしているからね。晴馬くんのベランダからボクの家のベランダまで来るのは簡単だったよ。」


 怖えよ、というか怖いです。

 というか助けてください。


「まあまあ、ボクに構ってないで晴馬くんはぐっすりと眠っているといいよ。いざとなったら僕が全力で寝かしつけてあげるから。」

「それ絶対、違う意味だよね。」

「そんなことないよ。」

「あー、もう眠気なんてとれたよ。」

「嘘を言うのはダメだよ。」


 ちぃっ、美奈子に嘘は通用しないか。


「それに、ボクは晴馬くんの為だったらできる限りを尽くすよ。」


 それは嘘だ。

 こいつは平然と鈍器を構えてやってくる。

 そんな奴に対して出来る限りとかありえない…ってちょっと待てよ。

 今こいつ、出来る限りって言わなかったか?

 なら…こういうこともできるのか。

 僕は美奈子に相談をする。

 相談?いや違うな。

 質問と確認だ。


「美奈子、今お前できる限りって言ったよな。」

「うん。言ったよ。」

「なら、今すぐ僕の家から自分の家に帰ってくれ。というか眠いから僕の部屋から出て行ってくれよ。」

「あ、それは無理だよ。」


 無理なものか。

 幸いというかなんというかだが、僕の家と美奈子の家はお隣だ。

 こいつが自分の家のベランダから侵入できるくらい近いはずだから帰ろうと思えば帰れるわけだ。


「じゃあ、僕がお前の家に寝ていてもいいのか?」

「おっ、ついにボクの家に来る気になったのかい?歓迎するよ。」

「いや、お前は来なくていいよ。」

「なんでっ」


 当たり前だ。

 こんな奴を野放しにしているとかホントどうにかしているよな、白井家の皆さまは。


「とりあえず、来てくれたのはありがたいけど帰ってくれ。僕にはたった今、やるべきことができたのだから。」

「やるべきこと?」

「ああ、これからやることは重要なミッションなんだ。決して失敗は許されない。」

「ゴクリ…」

「僕はこれからしばらくの間、勉強をしないといけないのだよ。」

「な、なんだってー!」


 ふふ、驚くのも無理はない。

 完全な口から出まかせを言っているからだ。


「ほら、新入生って最初にテストやるだろ?それに向けてそれなりの成績は必要かなって思ったから。という事で帰ってくれ。」

「やだ。」


 少しは人の話を聞けよ。

 やれやれ、ダメだ。こいつ…早く、何とかしないと。


「お前な、僕の話を聞いていなかったのか?」

「聞いていたよ、でも勉強ならボクも教えることはできるし、晴馬くんの苦にはならないと思うけどなぁ…。」


 ああ、そういえば、こいつ、頭は僕よりも断然良い奴だった。

 くそう、すっかり忘れていたぜ。


「分かったよ、ただし条件付きだ。お前は僕に勉強を教える。僕はお前が退屈しないようなものを持ってくる。これでどうだ。」

「うん、いいよ。」


 そういうところは意外と素直なのね…。

 こういう所に中学校の男子生徒は告白したのかもしれない。

 やれやれ、別に僕は興味がないのだが…。まあいいだろう。


「それじゃ、リビングからなんか持ってくるわ。何がいい?」

「それじゃあ『シャトーブリアン』と『カステラ』」


 そんなものは普通のご家庭にはありません。

 カステラはともかくシャトーブリアンって最高級の肉だろ。

 朝飯食ったばかりの奴が何を言っているのだか…。


「あー、はいよ、お茶とクッキーね。分かった。」

「そんなことは一言も言ってないのだけれど…。」


 黙れ、シャトーブリアンとかいう奴にそういうものの権利はない。

 僕はこれ以上の追及をされないよう、逃げるようにリビングへと降りていった。


「我が妹よ、なんか食べるものはないか?」

「えっと、そこら辺にある草とか石とかの事?」


 お前の中の兄貴はそんなものを普段口に含んで生活しているのか。

 そんなのだったら、僕、今頃死んでいるよ。


「冗談だって、そんな顔をしないでよ。えっとクッキーなら戸棚にあるし、お茶なら今お湯沸かしているから待ってくれれば大丈夫。」


 やれやれ、分かっているなら最初からそう言えよ。

 まったく、世話の焼ける妹だ。


「お兄ちゃんほどではないけどね。」

「んなっ」


 バカな、こいつ。直接脳内に…。

 って優実、ファミチキくださいはどうでもいいだろうが!


「あのね、あたしだって伊達にお兄ちゃんの妹をしてないの。視線で会話できるのに心で会話できないとかそういうものじゃないの。お兄ちゃんみたいな考えが、あたしにもあるってことよ。」

「ふーむ」


 言われてみれば確かにそうだ。

 兄妹なのだから当たり前じゃないか。

 半分とはいえ、あの両親の血を引き継いでいるわけだし。


「それで、お兄ちゃん。上に美奈子ちゃんいるのね。」

「あ、ああ。だから用意しているわけだ。って、なんでわかったし。」

「なんとなく?」


 やれやれ、まあいいか、どうであれ状況は変わらないわけだし。


「もしもし、お兄ちゃん。受験勉強が忙しいあたしと駄弁っている暇があるのなら一刻も早く美奈子ちゃんのところに行った方がいいと妹から助言してあげるよ。」

「それもそうか。それじゃ、行ってくる。」


 俺はクッキーを少し多めに持って自分の部屋へと上がった。

 お茶は後で優実が持ってくると言っていたので僕は自分の部屋で待っているはずの美奈子に渡した。


「おー、晴馬くん、ボクの要望通りにクッキーを持ってきてくれるとはいやはや、いい幼馴染みを持ったなぁボクも。」


 人を雑用扱いしないでくれません?

 それにお前はシャトーブリアンって言ってたろうが。


「まあ、なんであれ、僕は今から勉強をする。邪魔したら速攻で家から出て行ってもらう。いいな。」

「あいあーい。」


 そこからは結構普通だった。

 僕は黙々と課題や勉強を進ませる。

 時々分からないことがあったら美奈子に教えてもらう。

 最終的には、優実までもがお茶を運ぶついでとか言って自分の宿題を美奈子に教えてもらう。

 というなんとまぁ豪華なことでしょうか。

 いや、これが普通なのだけれどね。

 そう、これが普通の幼馴染みとの関係なのだ。

 決して刃物を持ってきたりとかはしない。

 普通のがいい。僕は心の底からそう願う。


 そして、時刻は夜の七時を回った所で僕は勉強をやめ、夕食の手伝いに行った。

 夕食は美奈子も一緒に食べた。

 どうやら手伝ってくれたお礼だと、優実が張り切っていた。


「いやぁー美奈子ちゃんありがとね。お兄ちゃん、結構思い悩んじゃう所があるからこう、何と言いますかね。あたしとしてもラッキーっていうか何というかもう、頭があがんないですよ。」

「いやいや、夕飯までご馳走になっちゃったから結果オーライですよ。あ、そうそう、晴馬くん、ボクの両親に夕飯食べてくるって伝えてくれた?」

「あー、うんうん、伝えてきましたよ。」


 ええ、そりゃもう毎回恒例のように…ね。

 僕の家と美奈子の家は隣ということは言ったが僕は自分の家のベランダから美奈子の家のベランダまで飛んで、両親に「今日、美奈子は僕の家で夕飯食べてくるそうです。」とだけ伝え、「いつもありがとね~」という白井家の両親の言葉と助走をつけて自分の家のベランダに飛ぶ。

 そしてそれにかかる所要時間は三分、「三分間待ってやる。」的な状況。

 よく考えたら、メチャクチャアクロバティックなことをしているのだなと思い始めた。

 ちなみに、つい最近までは近い奴らの会話ならこういうことをやるのは当たり前だと思っていただけに「えっ、みんなやらないの?こういう事。」ってなった時はショックだった。

 そんなこんなで夕食も無事終了し、後は美奈子を送り届けるだけという所で美奈子がとんでもないことを言い出したのだ。


「そういえば、優実ちゃんって晴馬くんと一緒にお風呂に入ったりしているの?」

「「えっ?」」


 僕と優実の声が被った。

 おおーなんか兄妹の絆的な感じでお兄ちゃん感激したぞ。


「そりゃま、兄妹だし、小さい頃は入っていたけど今は入らないよ。」

「そうそう、僕だって最近は一人で風呂に入った方が、気持ちがいいし。」

「ふーん、小さいころ…ねえ…」


 あ、あの?美奈子さん?なんか表情がやばいんですけど…。


「私、晴馬くんと一緒にお風呂に入ったことないのだけれど…。」

「そうだっけ?」

「そうだよ。なんか不公平。負けた気分がしてなんか嫌だよ。」


 そんなこと言ったってなぁ…。

 僕と優実は兄妹で、美奈子は幼馴染みだ。比べるどころの話ではないだろう。

 その時、優実が口走る。


「じゃあ、入ってみる?」

「へっ?」「えっ?」


 妹よ、お前は何回爆弾を落とせば気が済むのだい?

 いやいや、いきなり何を言い出すのだ、我が妹よ。

 お前は勉強のし過ぎで頭がおかしくなったのか?


「いやいや、無理に決まっているよ。うちの風呂だって大きくないわけだし。僕一人入ったら美奈子が入るスペースがないよ。残念だけどその話は無しってことで…」

「えーーーっ」


 えーって言ったってしょうがないものはしょうがないだろ。

 そもそも、僕自身が美奈子と一緒に風呂に入りたいとかそういうものは存在してないし。

 第一、僕の家の風呂は狭いし、それに僕だって思春期のお年頃ですし、おすし。


「えー、コホン。話は聞かせてもらったわよー。」

「わっ、誰だ!…って理奈か…お前、いつから聞いていた?」

「えっと、優実ちゃんが晴馬と美奈子にお風呂は言ったらって言ったところから。」


 ほとんど最初からじゃないか。

 というか、お前はどっから出てきた!

 あれか?湧くタイプの奴か?


「だから言っているじゃない。『話は聞かせてもらった』って。そんなの最初からに決まってないと言えないセリフよ。」


 そんなことはないぞ。

 意外と適当に言っている人もいるけどね。

 某ライト何とかという文芸作品では当たり前のことだと思うけどね。


「それに、なんか危ない匂いがして駆けつけてみたら美奈子と晴馬が一緒の風呂に入る。ですって?そんなの断じて許されることじゃないわ。」


 おおー、初めてこいつがいい奴に見えて来たぞ…。

 って、僕そんなに危ない匂いを出していますかね…。

 いや、気のせいだ。気のせい。うんうん。

 理奈の言葉に美奈子が反論するように言う。


「でも、理奈ちゃん、あなたは不公平だとは思わないの?優実ちゃんだけ晴馬くんと一緒にお風呂に入っているわけだよ。彼女としてどうなの?」

「いやいや、幼少期の話だからね。」


 それに、さすがにツンデレ100%の理奈とはいえ、こんなことでムキになって肯定することはないだろう…。


「んー、まあそうだねぇ。確かに美奈子の言っていることも一理あるわね。」


 あれー、肯定しちゃうの?僕、もうわかんないよ。

 ほら、優実も呆れているし。


「でも、晴馬と一緒なんてことは考えるだけであって、実行することは出来ないじゃないかしら?」

「?」


 おろ?それはまたどうしてだ?


「だって晴馬、極度のニブちんだし、恋愛とかにも疎いし、私だって告白するまで何度も晴馬にアピールしたけど晴馬ったら全部知らん顔しちゃうもん。」


 えっ…えっ…えっ?


「そうですね、確かに言われてみれば晴馬くん、そういうものに全く興味ないですよね。」

「言えている。お兄ちゃん、心理学的には頭いいけど恋愛に関してはダメ人間なんだもんね。」


 理奈の言葉に美奈子もましては妹にまで言われるなんて…。

 こんなのあんまりだぁ。


「あの…その…僕が悪いみたいになっているこの雰囲気をどうにかしてくれませんかね!!」


 今日も今日とて、石倉晴馬の断末魔が聞こえるのであった。

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