オガドーグリと流星群の夜

桜枝 巧

1

「あたしの最後の一輝き、よく見ておくれよ」


 今にも落っこちてしまいそうな、それでも僕よりずっと大きいよぼよぼのおばぁ星が話しかけてくる。

「ああ、分かったよ、分かったから」

 目をバインダーにはさまれた用紙に落としたまま答える。

「なんだい、その言い方は。さてと、では行くとするかね」

 ……顔を上げると、もうそこには誰もいなかった。

 僕は用紙に連なっている名前の中からその星を見つけ、大きくバツ印をつける。


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