174
「…なにかあったんですか?」
「…いや、なんでもない」
今までのやり取りを見てた女の人が心配したように聞くが青年は首を振って返す。
その青年の言葉に女の人は踏み込む事なく黙る。
「…ごちそうさま」
会話も無く静かな空気が流れる中、女の人が青年をチラチラ見ながら手を合わせて食器を片付けた。
「…あの…休憩後は何を…?」
「…ああ、とりあえずランニングしてから基礎をやろうか」
女の人が様子を窺うように聞くと青年はいつもの様子に戻ったように言う。
「分かりました」
女の人は頷いてから青年に配慮してなのか外に出て行く。
「…あの、なにかあったんですか?」
「…は?」
女の人が外に出て空になってる皿を集めていた彼女に話しかけると不思議そうに返される。
「いえ…先ほど変な雰囲気だったので…」
「ああ、アレが『魔剣士』とやらになったのが気にくわないっていうから」
女の人が聞きづらそうに軽く理由を説明すると彼女は軽く説明した。
「…あ、で、でも感謝してましたよ…?」
「へー…で?」
だからなに?と彼女は青年の様子を告げた女の人を冷たい目で見た。
「あ、いえ…なんでもないです、すみません…」
女の人が謝ると彼女はスキルを使って皿を綺麗にして家の中に入って行った。
「…怒ってる…ワケでは無いのかな…?」
「ウォフ?」
女の人は寄って来た魔物の頭を撫でながら疑問系で呟き、魔物も首を傾げる。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます