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翌朝。



「…それでは行ってくる」



朝食後の片付けを済まして椅子に座ってる彼女に男が出かけの挨拶を告げた。



「ん?ああ」



彼女はどうでもよさそうに言うと手をヒラヒラと振る。



「…お、もう行くのか…頑張れよ」


「頑張って下さい!」



微妙な表情で外に出た男にストレッチ中の青年と女の人が気付いて声をかけた。



「ああ、彼女の事は任せたぞ…何かあれば連絡しろ、直ぐに駆けつける」


「分かっている」



男が有事の際に自分を頼るように言うと青年は笑いながら頷く。



「…召喚スキル『シュリオ』、『ライド』」



男は青年の返事を聞くと手を上げてスキルを使う。



「…あれ?あの人は…?」



男がスキルを使うのを見てなかった女の人は少ししてキョロキョロと辺りを見渡しながら首を傾げる。



「ああ、もう出かけた」


「…速いですね…魔物に乗って行った…?」



青年の返答に女の人は意外そうに呟いた。



「…それより、ランニングを始めよう」



青年はあえてなのか、女の人に説明もせずに話題を変える。



「そうですね」



女の人も特に気にせずにストレッチを終えた。



「では行くか」


「はい!」



青年が声をかけると女の人は元気よく返事して走り出す。

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