140
数時間後。
「…コレで全ての確認が終了したな」
「…もうとっくに着いてるけど」
紙の束の内容を確認して男が満足そうに呟くと女の子が不機嫌そうに告げる。
「…30分ぐらい大目にみるぐらいの心の余裕は無いのか?」
「30分?今の時間を確認してみたら?」
男が不満そうに聞くと女の子はイラついたように聞き返した。
「…む、もう0時を過ぎてるじゃないか…アレから2時間近くも経っていたのか…」
「貴方は2時間も人を待たせておいてなお、不満を言う?」
袋から取り出したケータイで時間を確認して呟いた男に女の子が聞く。
「俺はお前だけでも降りたらどうだ?と提案したハズだが?」
「…そ…あ、貴方が逃げないように!」
男が逆に聞くと女の子は何かを言いかけてたった今閃いたかのような事を声を上げて言う。
「…逃げないように…か、まあいい…ココは俺が折れておこう、すまなかったな」
男は言い合いが長引かないようにと不満そうにではあるが謝る。
「…わ、私の方こそ、心が狭かったというか…」
「どうせ教皇と会うのは午後だろう?俺はこのまま修正作業に入るからお前は先に降りて休んでおけ」
女の子も謝ろうとするがそれを遮るように男は告げた。
「修正作業って…今から?」
「ああ、どうせなら休む前にMPを使い切ってからの方が良いからな」
では…と女の子の疑問に答えた男は手を振って廊下を歩いて行く。
「ちょっと待て…!どうやって降りれば…!?」
離れようとした男に女の子は焦ったように駆け寄って質問する。
「…スキルを使うように『ダウン』だ、ただし一旦降りると俺が居ないと乗れなくなるが」
「『ダウン』」
男が注意と共に説明すると女の子は試すように直ぐさま唱えた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます