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「…なぜ?」



急に意見を変えてきた男に女の子が怪訝そうな顔で問う。



「争いを収めるための協力なら断る理由など無いからだ」


「…彼女、とかいう人から離れないと言っていたのに?」



男の答えに女の子はなおも聞いてくる。



「…彼女は俺がどこへ行こうが何しようが、自分に関係しなければ興味も持たない」



つまり…俺が戦争地帯へ行くと言わなければ止める事も無いハズだ、悲しい事にな…と男は自虐的に笑いながら返した。



「…ソレも彼女とやらの常識外の人のため?」


「もちろんだ、だから条件がある」



女の子が女の勘的なので察すると男は頷く。



「…条件…?」


「ああ、こちらの条件が呑めない限り俺は魔導協会には入らない」



眉を寄せて聞いてきた女の子に男がきっぱりと言い放つ。



「そして魔導協会に所属している時にも、もしかしたら条件が増えるかもしれない…当然その条件が呑めなければ脱けるワケだが…それでも俺を勧誘するか?」



続けざまに男は自分の考えを言って女の子に問う。



「…ソレばっかりは私の一存では決められない」



私はあくまで魔導協会にスカウトするだけだ…と女の子は首を横に振る。



「そうか…なら選べ、今すぐ魔導協会のトップに連絡を取るか、俺を諦めるか」



男は女の子に強制二択の選択肢を与えた。



「…分かった、連絡してみよう」



女の子は男の態度に何も言い返せない自分が悔しいのか歯を食いしばって袋からケータイを取り出す。



そして少しの間男に背を向けて誰かと通話する。

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