129
「魔物が…人の言う事を聞いた…!?」
「…もしかして…」
更に驚愕してる女の子を見て男は何かを思い出すような感じで顎に手を当てる。
「?知り合いか?」
「いや…一度だけ見た事がある、というだけだ」
青年の問いに男は顎に当ててる手を額に移動して考え始めた。
「…問題は無さそうか?」
「…ああ、何かあっても俺一人で大丈夫…」
「…そうか、では俺は戻ろう」
青年は思い出そうとしている男の言葉を聞くと、何か言いたそうな女の子を一瞥して背を向け戻って行く。
「…まさか、こんな所に居たとは…」
女の子は青年が見えなくなると安心したように息を吐いて言う。
「…思い出したぞ、魔導協会の巫女が何の用だ?」
「私を分かるのに用件を問うのか?それにしても…今日は驚きの連続だな」
まさかあの時のが魔導師とは…と男の疑問に聞き返して零す。
「…なに?俺を覚えているというのか…?」
女の子が零した呟きに男は怪訝そうな顔になる。
「…私は記憶力が良い方なのだ、まあ正確には『覚えてる』と言うよりも『思い出した』に近いが」
「…ふん、魔導協会の巫女様に思い出してもらえて光栄だな」
女の子の言葉に男は鼻で笑って皮肉で返した。
「心にも無い事を…まあいい、言うまでもないと思うが私が来たのは『魔導師』の貴方をスカウトするため、だ」
女の子は一瞬だけ不快そうな表情になるも直ぐに元に戻して用件を告げる。
「魔導師…?はっ!その節穴のような目でちゃんと確認しな」
「何を……っ…!!?」
男がバカにしたように笑って表示を大きくすると、女の子の不快そうな表情が驚愕に変わった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます