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「…ちょうどいいや…ソレ、アレと一緒に魔物の所に持って行って、皿の場所は分かるっしょ?」
彼女は大きな鍋を指差して青年に指示した。
「?持って行くのは構わないが…なぜ彼女と?」
「魔物達に無害である事を示さないといけないじゃん、それに魔物が怖いとか言ってたから慣れてもらわないと」
青年の疑問に彼女は料理する手を止めずに答える。
「…それもそうか、確かに俺の知り合いってだけでは表面上でしか納得できない…分かった」
青年は納得したように呟くと女の人を連れて来るために外に出た。
「おお、美味そうな匂いだ…魚介系か?」
「ん、ペスカトーレポトフ…ココではなんて言うのかな…エルギョルン風ステア?」
青年が出て直ぐ男が戻って来ての問いに彼女は少し考えて疑問系で返す。
「…お皿、ですか?」
「ああ、あそこの戸棚の下の方に入っている大きいやつだ…そうだな、6つほど頼む」
「分かりました!」
男が椅子に座ると青年が女の人に指示しながら家の中に入って来る。
そして青年は大きな鍋を持ち、女の人は戸棚から取った大きな皿を抱えてまた外に出て行った。
「…珍しいな、あいつらに譲るなんて…」
「…アレはあんたらと一緒でココに住み着きそうな気がしてな、なら今の内に魔物達を安心させとこうかと思って」
ついでにアレが魔物に慣れればいいかもね…と男の呟きに彼女はどうでも良さそうに返事する。
「…この鍋はどうしたらいい?」
ちょうど自分達の分の料理を皿に盛ってテーブルに置くと青年が鍋を持って戻って来た。
「外に置いといて、後でまとめて片付けるから」
「…美味い…」
「分かった……早く夕飯を食べるぞ!」
彼女が指示すると男がいち早く料理を食べ、それを見た青年は慌てて女の人に声をかける。
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