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その頃、青年はと言うと…
「あ~…う~」「う~…あ~」
「あ~…う~」「う~…あ~」
「くっ…!どこにいるんだ…!」
ゾンビと化した民衆から逃げ回りながら魔物を探していた。
「邪魔、だが倒すワケにもいかないし…」
次々と群がってくるゾンビに囲まれないように…と周りを確認しながら青年は走り続ける。
「…探すまでがこんなに大変だとは…甘く見ていたな…」
弱気な発言をするも青年は立ち止まらずに魔物を探す。
「…ただいま、今日の夕飯はなんだ?」
青年が必死に街を駆けずり回ってる最中に男が家に帰ってきた。
「茶碗蒸し」
「ちゃわ…?」
「…ココでは珍しい料理かもね」
聞き取れなかったのか不思議そうに首を傾げた男に彼女が告げる。
「そうなのか?」
「多分ね」
男が問うと彼女はどうでも良さげに適当に返す。
「…アイツは今どうなってると思う?」
「…さあ?まだ探し回ってるんじゃない?見つけてからも大変だと思うよ」
男は少し心配そうに聞くも彼女は特に気にしてない感じで言う。
「…確かに、周りにはゾンビ、目の前には敵対心むき出しの魔物…交渉は一筋縄ではいかないかもな」
男は彼女の言葉に頷いて呟く。
「私の予想では魔物の毒にやられると思ってるけどねー」
彼女が手を全く止めずに心配した様子も見せずに笑いながら話した。
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