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30分後。
「す、ストップだ!」
「「ウォフ!」」
「うわっ!」
青年の静止の声に魔物が止まると、慣性の法則的なアレで彼女は魔物の背中からずり落ちる。
「いてて…もう少し緩やかに止まってくれよ…全く」
彼女は起き上がりながら呟くと青年を睨む。
「うっ…!す、すまな…い…」
魔物の背中から降りた青年は口に手を当て体調悪そうに謝った。
「だ、大丈夫ですか?」
その様子を見て女の人が青年の背中を摩りながら心配する。
「あ、ああ…揺れに、弱くてな…慣れる、までに…うぷっ…時間が、かかる…」
今にもリバースしかねん勢いで青年は地面に膝を着く。
「で?まだ街は見えないけど、なんでこんな中途半端な所で止まったワケ?」
「…それ、は…街の中…には、魔物が…うようよ、してるハズ…だから、うっ…慎重に…」
イラついたような彼女の疑問に青年は手で口を覆いながら説明した。
「なるほどね、じゃあここからは徒歩で移動するって事でオッケー?」
「…あ、ああ…」
不機嫌そうに察した彼女に青年は青ざめたまま暗い顔になる。
「ここからなら、15分ほど歩けば見えるハズです」
「場所ぐらい分かるよ、バカにしてんの?」
「い、いえ…そういうわけでは…」
女の人の説明にも彼女はイライラしたように聞き返す。
青年が巻き込んだ事を知ってるからか女の人は何も言い返せずに黙った。
「…はぁ…とりあえず行こうか」
「「ウォフ」」
彼女は女の人に肩を貸している青年を見てため息を吐くと魔物に声をかけて先に歩いていく。
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