13
「?わざわざ分けているのか?」
「魔物達の分は皿から溢れない程度にトロみをつけないといけないから」
そんな行動を見た青年の疑問に彼女は液体を入れてかき混ぜながら答えた。
「よし終わりっと…コレ、持って行って」
「…俺がか?」
大皿に大量のドロドロした料理を盛りながら彼女が指示するとさっきの事を思い出したのか青年はたじろいだ。
「襲われたくないなら、害が無い事を証明しないといけないだろ?」
「…それは、そうだが…いずれ退治する魔物に餌付けとは…」
青年はブツブツ言いながらもドアを開けてテーブルの上に置いている大皿を二枚両手に持ち外に出る。
そして慌てて戻って来たかと思えばテーブルの上に置かれてる大皿を見て、口角をヒクヒクさせるもまた外に持って行った。
「…ふう…寿命が縮む思いだ…」
「まあ度胸が鍛えられる良い経験じゃん、はい」
ドアを閉めて凭れ掛かり息を吐いた青年に彼女は適当に声をかけてテーブルに皿を置く。
「…ほお、あまり見た事のない料理だな…」
「テーリィって言う煮込み料理だよ、私の居た所ではカレーって言ってたけどね」
「テーリィか……っ!?美味い!ちょっと辛いが、ソレがまた…!」
「白米と一緒に食べたら美味しいんだけど…ペイをまだ精米?してないから今回はナン…いやミジで」
こうやって乗せて食べるんだー、と彼女はカレーをスプーンで掬ってナンに乗せて食べる。
「…!美味い!」
彼女と同じやり方で食べて驚いた青年はあっという間に食べ終わった。
「アレにあと一人分ぐらいは残ってるよ」
「本当か?ありがたくいただこう!」
まだ半分も残ってる料理を食べながら彼女は柄の付いた鍋を指差す。
「っと…そろそろかな…」
まだ皿に料理が半分も残ってるのに彼女は立ち上がり手袋をして大きな鍋を持ち上げて外に出る。
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