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「グルルルル…!」


「ガルルル…!」


「くっ…!こんなの…自殺行為だぞ…!」



小屋に近づくと魔物達が青年を見て威嚇し始めた。



青年は冷や汗をかきながら警戒し右手で剣の柄を逆手に握りながら歩く。



「グルル…グオフ!!」


「っ…!!」


「ほらコレ、さっきみたいにな」



小屋の玄関で伏せっていたボスが青年を見るとすぐさま立ち上がって警戒したように臨戦体勢を取り、唸った後に吠える。



ソレを見た彼女は袋から箱を取り出して最後の一個のかき揚げを青年に渡した。



「…だ、大丈夫なのか…!?」



失敗したら死ぬぞ…!と青年は恐る恐るボスの前にかき揚げを投げる。



ボスは警戒したように匂いを嗅いで食べ始めた。



そして青年を警戒したままソッポを向いて玄関から離れる。



「ふぅ…」



危機を脱したからか青年は冷や汗を拭う。



「今から昼ご飯作るけど…あんたも食べる?」


「!?あ、ああ…お願いする」



家の中に入り、ドアを閉めて彼女が聞くと意外そうに青年が頼む。



「…エプロンが似合うな」


「だろ?この外見に合いそうなのをわざわざ街で買って来たんだ」


「そうか…ん?この外見…?その言い方だと他にもあるのか?」



青年は椅子に座りながら彼女とのやりとりで引っかかった事を聞いた。



「ああ、私も初めて見た時はびっくりしたんだけど…なんと料理の付与効果の中には『美形補正+』と『美形補正-』ってのがあって…」


「『美形補正』!!?」



彼女の発言に驚愕したように青年は椅子を倒して立ち上がる。

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