虫ケラだっていきているのに、何故ニートは死んで行く
とまと大魔王
来世なんてどうせ誰も信じちゃいないだろう。でもなれるなら石油王になりてぇ
「…あなたの来世はバッタです。」
目が覚めて、そんなこと言われた。
目の前にはブスではないと言えば頷くが、せいぜい中の下ぐらいの女性。
夢、だろうか。なんだかふわふわする。
神殿のようなきれいな空間。
ごろん、と冷たそうな床に寝転がる。
変に縁起の悪い夢を見たな、とため息が漏れる。
「……はぁ。あなた何してるんです?あなたの置かれた立場わかってますか?」
コツ、コツと女のヒールの音が迫る。
………だから俺の来世がバッタなんでしょ。立場も何も、夢が覚めりゃなくなるんだし。
え?何。俺が無視ったからおこなの?
心の中で言ったつもりが、どうやら聞こえるらしい。
カツッッとヒールを叩きつけて言う
ヒールの音がひびく。
「夢じゃねーよッ」
「は?」
衝突な告白に驚く。
「だいたいさぁ、何なの、その態度。こっちはさぁ、一応閻魔様の弟子としてやらせてもらってるんでぇ。ウチらに喧嘩売ったらあんたら終わりよ?ワンパンよっ‼︎」
急に喋り出したな……。
てか閻魔様?え?弟子?そんなん夢以外になんがあるんだよ
だってしかも閻魔様の弟子って顔してねーもん。
「あるよ。だってぇ、あんた、死んだんだからね。ここは死人を送り届ける空間。常識なんて通じないわ」
は???俺死んでねーし。勝手に殺すな
「いやぁ、まぁ、さぁ。あんたが寝てるうちに迎えにあがらせてもらったワケ。悪く思うなよ」
え?ちょいまち。俺閻魔様の弟子に殺されたの?理解が追いつかないぞ…。
まじで俺殺されてんのかよ!??
「あんたはぁ、誰かに憎まれてたからぁ、こっちがやらせてもらいましたぁ。」
そいつを教えろ…。これマジのやつか??は?
「マジっす。と、いうか。教えてやるかバーカ。何であんたの命令に従わなきゃ行けねぇんだ。」
何だよコイツ…。
俺はその女に向かって持っていたボールを投げた。
それを軽々と避けたことに気にくわない。
「あたしはぁ、あんたに聞いてんの。別にあんたを殺したやつを探したり何なりしてもいいけど、それはもう来世のお話。バッタになって見つけてみたらぁ?
……で、も。あたしはあんたをそのチャンスを与えることも消し去ることもできる。」
それを最初から言えよな…
「それを最初から聞けよ‼︎」
ツッコミを入れた後、間を置いて口を開く。
「んで?どーすんの。バッタ?それとも、なぁんにもない、地獄でも天国でもない場所で孤独に過ごす?」
やだよ、バッタとか。
俺は来世石油王になりてぇんだ!
「…すこーし言い方が遠回しだけど、まぁいいでしょう」
これのどこがその返事に聞こえたのかなぁ??
するとゲーム出て来そうな光が俺を包み、目の前が真っ暗になった。
てか、俺は記憶を失うの?
沈黙の返答が返ってくる。
バッタ、かぁ……………。
未来の見えない展開に、少し戸惑う。
でも、そんな俺が、どうしてだろう。
あんな非道に走ったのは。
でもそれは、まだ先の話。
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