ネズミの石

ネズミの石

石の前の枯れた花びら

とんとんとん花火の音。

砂利と雑草踏みしめた。

遠くから吹く汐風が

気持ち良いって振り返る

またね。次来るのは多分、１年後。

おかしな夢をみたらしい。あんまり興味無かったから、真っ白い車に乗りこんだ。

バックミラーの僕の顔、相変わらず眠そうで

赤くなったもの、エアコンで冷やそう？

そしたら近くでやってるお祭り

少しだけ寄ってから帰ろう

久しぶりに聞いた蝉の声は

日照りと紫陽花の色が絡まって

一層無機質に聞こえた

桶の中で泳ぐ小虫

2、3回掻き混ぜて

ネズミの石に垂らしたら

頂上に着いた黒蟻が

触覚振って喜ぶだろうか

人間は死んでも尚、着飾る唯一の動物だ。そんなことを考えた。