第444話 ◆はぐれ天使の恐怖
◆はぐれ天使の恐怖
ラグエル・・ サリエルはラグエルと目を合わせるとゆっくり頷いた。
ええ
これは神様に報告しなければいけませんね。
はい。
えっ? なに勝手に決めてんのよ! あんなやつらに報告する必要なんてないじゃない!
セレネさま、そんなわけにはいきません。 あたらしい天使がひとり誕生したのですから。
まだ、天使になったって決まったわけじゃないわ。 それにこれはコスプレかも知れないでしょ!
いや、セレネさま。 それは相当無理がありますって。
あ、あたし、天使は一生封印するから、あの変態どもには絶対に言わないでちょうだい!
どうして、そんなに嫌なんです?
だったら、276話から284話を読んでもらえれば絶対に分かってもらえると思う。
わたし、ちょっと読んで来ますね。 そういうとラグエルは部屋から出ていった。 ←何処へ?
セレネさま、天使は登録制なんです。
え、そうなの?
ですから、天界に行き神殿の石板にご自分の名前を刻まなければなりません。 あっ、この名前っていうのは九条セレネじゃないですよ。
どうゆうこと?
神様に天使としての名を授けていただくのです。
へっ ぜってー やだね!
また、そんなに下品な言葉使いをする。 ダメじゃないですか。 けいちゃんが真似をしますよ!
だいじょうぶよ。 けいちゃんの前じゃお上品な言葉しか使わないから。
・・・ まったく、セレネさまは・・・
神様にお会いになる気になられたら、わたしが妻として一緒に同行させていただきますから声をかけてくださいね。
はいはい。 会いに行く気になんてラグエルがラッパ吹いたって絶対にならないから大丈夫だよ。
はぁ~ ほったらかして置くと、はぐれ天使になってしまいますよ!
なにそれ、受けるー。
・・・
あたしはこの時、はぐれ天使のほんとうの怖さを知らなかったのです。 それは思い出しただけでも体が二回りも縮むくらいの恐怖でした。
どうして、あの時にサリエルの言う通りにしなかったのか、ほんとうに後悔の日々でした。
それは、503号室に連れて行かれた日から半年が過ぎ、あんなをやり取りしたことなんかすっかり忘れていた2月の寒い日の夜でした。
あたしは、暑がりの寒がりという極めて快適に過ごせる温度幅の狭い女ですので、その日も布団を何枚も重ねて寝ていたんです。
やっと布団が暖まり、ウトウトし始めておりました。
その時です。 東側の窓が急にガタガタと音を立て始め、次に部屋に飾ってあった額縁が音を立てて床に落ちたのです。
あたしは、もう怖くて怖くて布団を頭から被り、ひたすら「鶴亀、鶴亀、鶴亀、神様、仏様、キ○スト様」と唱えていました。
やがて、大きな音を立てて窓ガラスが割れ、飛び散りました。
そして、奴らが窓から入って来たのです。
「悪い天使はいねがーー、 はぐれ天使はいねがー!」 と部屋の中をグルグル歩き回り、最後にあたしのベッドの横でピタリと立ち止まったんです。
あたしの心臓は、もうバクバク言って口から飛び出そうでした。
そして何枚も重ねてかけられた布団が一気に剥ぎとられ、あたしはベッドの上に曝け出されました。
あたしは恐怖で悲鳴を上げることも出来ず、そいつらに両腕をつかまれ、あの場所に連れていかれたのです。
***
ねえ、「はぐれ」までタイプすると「はぐれメ〇ル」って出てくるんだけど「はぐれ〇タル」ってなに?
スライムの一種みたいですよ。
ふ~ん じゃあ、はぐれ天使とどっちが強い?
さあ 戦ってみないと分からないんじゃないですか。
よしっ!
???
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