第425話 ◆メイア嗅ぎつける

◆メイア嗅ぎつける


ベルちゃんはサキュバスだ。  それを忘れて、あたしはサキュバスを野に放ってしまった。


街には若い男がたくさんいる。


ベルちゃんにとっては、ご馳走がそこらじゅうを歩き回っているようなものじゃないか。


これは、あたしの大失態だった。


もしも、街の男たちが夢の中で、あのエロス爆弾娘に襲われたらとんでもないことになる。



コリン君やルイには、強力な天敵がいたからこそ隠蔽に成功したが、街の男の大半は面識がない。


つまり、サキュバスのうわさが広がったら、もうお終いなのだ。


これはヤバイ!  ひさびさにヤバイ。  やばい ヤバイ やばい  超ヤバイ!



あたしは、ベルちゃんと別れた場所まで着いてから、なぜメイアを連れて来なかったのかと悔やんだ。


メイアはベルちゃんの匂いを知っている。  あの警察犬のような嗅覚を活かせば、ベルちゃんはきっと直ぐに見つかったことだろう。


あたりは既に薄暗くなって来ている。 もうお城に戻っている時間はない。


そうだ!  メイアの並外れた能力は嗅覚だけじゃない!  聴覚だって桁外れに良かったじゃないか。


そこで、あたしは息を大きく吸って、お城に向かって大声で叫んだ。


メイアーーーー!  魚買ってやるから直ぐに来ーーーい!  来ーーーい  こーーい。



魚が効いたのか、あたしの声がお城の塔に届くや否や、メイアが飛び出すのが見えた。


もう、ドラゴンの姿であたしに向かって真っ直ぐに飛んで来る。


そしてものの1分もしないうちに上空へ到達すると ボンッ と音を立てて幼女の姿に変化し、あたしの真上に落ちて来た。


うわっ トットッ  あたしはメイアをキャッチしようと右往左往する。


ドスン


あたしの運動神経が優れていたのか、メイアが加減しながらあたしの腕の中に落ちて来たのかは定かでないが、なんとかうまくキャッチ出来た。


よしっ! 魚は後で買ってあげるから、先にベルちゃんの匂いを追っかけてちょうだい!


OK、セレネ。 まかせろ~


く、くそっ  ルイのやつ許さん!  メイアが覚えちまったじゃねーか!


メイアはすぐに、ベルちゃんの匂いを察知し、タタタっと駆けだした。


あたしは、メイアを見失わないように、その後を懸命に追う。




やがて、メイアはある場所の前でピタリと止まった。  そして、あたしの顔を見て、にっこり笑った。


メイア、ベルちゃんは、ここにいるのね?


いる~


あたしは、その不気味な建物を見て、すごく胸騒ぎがしたのだった。




***


ねえ、今回も文字数が少ないわよ!


最近、睡眠時間が足りなくてですね・・・


それと文字数が少ないのと関係あるの?


いや、普通ありますよね?


よく分からないわ!


ガビョーン

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