第418話 ◆セレネ、うすうす気が付く

◆セレネ、うすうす気が付く


コリン君、おはよー。


セレネさん、おはようございます。


あれっ?  コリン君、最近お肌が艶っ艶だね~  もしかしてめちゃ高い化粧品使ってるとか?


い、いやだな。 化粧水しか使ってませんよ。


へぇー 気のせいかしら?


そ、そうですよ。


おはようございます。  ティアとルイが続けてダイニングに入って来た。


おはよう。 ティア、ルイ。 今日も仲がいいね!


そんなことないです。  聞いてくださいよ、セレネさん。


兄さまったら、最近寝言で子猫ちゃ~んって甘い声で寝言を言うんです!  もう頭にきちゃう!



ギクッ  (子猫ちゃんって・・  も、もしかしたらどこかで見られたのかしら?)


ヤバッって思って目線をそらせたら、コリン君も顔を赤らめて下を向いている。


(なんだ? もしかしたらみんなも子猫ちゃんのことを知っているのか?)


あたしは、少し焦り始める。



やだな、ティア。 夢だよ夢!  夢の中にエッチな体の女の子が出て来ただけさ。


でも、夢なのにちょっといい匂いもするんだよな~。


もう、兄さまったら!  今日の夜また同じ寝言を言ったら殴るからね!


OK、ティア。  わかったよ。 夢だからたぶんもう見ないから安心してよ。



それを横で聞きながら、じっとコリン君を観察していたあたしは確信した。


きっとコリン君も同じ夢を見て、子猫ちゃんの匂いを嗅いだな。



コリン君、あたしちょっと用事を思い出したんで、みんなで先に食べていて。


わかりました。



あたしは、ダッシュで自分の部屋に戻った。


子猫ちゃんは、いつものようにベッドで大人しく寝ている。


子猫ちゃんは、昼間は大半を寝て過ごしている。  これは猫の特性だからだと思っていたけど、もしかしたらあたしの勘違いかも知れない。


あたしは、何時ぞやのインキュバスを思い出していた。


もしかしたら、あたしの子猫ちゃんは、サキュバスなのかも知れない。


そうだとしたら、あのエロ過ぎる体やエッチな体臭は納得できる。


それに、ルイやコリン君のツヤッツヤな感じ・・・



あたしは、寝ている子猫ちゃんの髪の毛を撫でながら、ある決心をしたのだった。



・・・


コリン君は、昨晩見た夢のことを思い出していた。


夢なのに妙に細かいところまでハッキリと覚えている。


あのエロイ女の子にもう一度会いたい。



ちょっとコリン何やってるの!  玉子焼きが焦げてるじゃないの!


あっ  あ゛ーーーっ!


もう、しょうがないわね。  あたしがやるわ。 ほら、そこをどきなさい!



アリシアに怒られながらも、コリン君は子猫ちゃんのことを考えている。


どうやらすっかり、子猫ちゃんに腑抜けにされてしまったようだ。


そして、この事でみんなの食事に大変な支障が生じるのだった。




***


ねえ、インキュバス、ヴァンパイアと来て今度はサキュバスですか?


あんたやっぱりネタ切れしてない?


いや・・ その・・ 読者の方がエロイ方が喜ぶんじゃないかと・・


喝!

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