第335話 ◆コリン君の邪魔な物

◆コリン君の邪魔な物


コリン君は、ハーフエルフだ。


エルフ自体は他の種族に比べると圧倒的に数が少ない。  そして、男も女も美形である。


生まれた時から美少女だったりイケメンだなんて羨ましい限りだ。


まあ、中には性格の悪い幼女もいるけどね。



コリン君は、ピザ屋の一人娘では無く一人息子だった。


美形ゆえなのか、お店の繁盛のためにマスターであるお父さんに女装させられて、店の看板娘にされていたのだ。  (ちなみにマスターは人間だよー)


毎日が退屈で仕方がなかったコリン君は、偶然ピザを食べにお店に来ていたあたしたちに、自分も一緒に連れて行ってくれないかと言ってきた。


そのままハイどうぞと連れだしたら、ただの誘拐犯になってしまうので、お父さんを説得できたなら良いよと言うとトンデモナイ条件で許可を取って来た。


それは一生女装するというエルフの契約儀式を行うというものだった。 そして現在に至る。


コリン君は何をやらしても超優等生で、もしもこの子がいなかったら今の女王としてのあたしは存在していなかっただろう。


そしてそのコリン君が、あたしの元を去ろうとしている。


そう、コリン君はアンディの元へ嫁いでいくかも知れないのだ。




ねえ、コリン。  お嫁に行くなら、邪魔な物をどうするつもり?


今日もまた、アリシアがコリン君に付き纏っている。  この二人はエルフ同士なのでとても仲が良い。  ←うそ


邪魔な物ってなんです?


だって、コリンはアンディのお嫁さんになるんでしょ?


ま・・まさか・・


やっと気が付いたの?


いやいや、それはダメでしょ。  アレは僕にとって、とっても大切なものなんですよ!


えーーー  お嫁に行くならもう必要ないじゃないの!  コリンってケチね。


えっ?  ケチって?  え?


だって、もう着てない服がたくさんあるじゃないの?  フリフリがついてるカイイイ服は、もう要らないでしょ?


みんな、あたしが貰ってあげようと思ってたのに・・・


なんだ。 服の事だったんですね。  僕はてっきりあっちの方だと思ってしまいましたよ。


んっ?  あっちって?  ・・・   イヤーーーー   バカ!  コリンの変態!  死ね!


アリシアは顔を真っ赤にして、テーブルの上にあった物を片っ端から、コリン君にぶん投げている。


うわっ  ちょっと、マジで危ないからやめてくださいって!



こらこら! 二人ともやめなさい!  もう、部屋の中が めちゃめちゃじゃないの!  


もう、あんたたちは仲がいいんだか悪いんだか・・・


悪いに決まってるじゃない!

悪いに決まってますよ!


って、今だって見事にシンクロしてるじゃないの。


セレネ変な事言わないでよ!  そんなの関係ないでしょ。



ハイ ハイ  アリシアはコリン君が居なくなっちゃうのが寂しくて仕方がないのよね。


なななな、なに言ってるの?


何って、ちょっと面白そうだから揶揄ってみただけよ。



あ~あ コリン君がアンディのところに行っちゃったら、この二人のドタバタが見れなくなっちゃうのか~。


そう、ほんとうに寂しいのは、あたしの方なのかもしれないと、心の中で思たのだった。




セレネの寂しさは、娘を嫁にだす父親の心境みたいなものなのでしょうか?


作者もよく分からないので次回へ続く・・・

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