第305話 ◆お前ら絶対に許さねぇ!
◆お前ら絶対に許さねぇ!
長い航海の中での修行で、使える魔法も破壊力も絶大なパワーアップを果たした。
それを使ってあたしの大切な赤ちゃんを変態神様の手から一刻も早く取り返さねばならない。
サリエルは神様の前だと言いたい事もいえないようだし、赤ちゃんをちゃんと守ってくれているか心配だ。
ここまで辿り着く間には、巨大暴風や海獣との闘いなど数々の困難があったが、メイアやシルフ、アンディと力を合わせて乗り越えてきた。
そしていま、あたしの目の前には、眩い光に包まれた天界が広がっていた。
なるほどねぇ・・・ 地図にモヤモヤとしか書けない理由がやっとわかったよ。
そう、天界は陸地ではなかったのだ。
まあ天界なのだから空の上っていうのは何となく分かるけど、この世界の天界はずいぶん低いところに浮いている。
低いと言っても500mくらいの高さはあって、スカイツリーの展望台と同じか少し高いくらいだ。
もちろん船ではいけないので、フィアスには赤ちゃんを連れて戻ってくるまでの間、船を守ってくれるようメイア経由でお願いした。
それじゃあ、そろそろ行きますか?
あたしも空を飛べるようになったので、メイアには乗らずに自分で飛ぶ。
アンディ、メイア、シルフ×2、あたしで天界を目指す。
空の上から見る海は、きらきら光ってとてもきれいだ。
天界は500mほどの高さなので、あたしたちはあっと言う間にその淵の部分に降り立った。
さて、どっちの方向に行けばいいのだろう。 そう思っていると先方自らやって来た。
どうやら、あまり歓迎されていないみたいですね。
アンディがゆび指す方を見れば、軍神を中心に弓矢、槍などを持った天使たちがこちらに向かって飛んで来るのが見える。
その数は、おおよそ100。 ひとり20人がノルマってところだね。
それでは、あの軍神は僕が相手をしましょう。 アンディ自ら一番の強敵を引き受けてくれる。
みんな、相手から攻撃があるまでは、絶対に手出しをしないで!
わかった~
了解した。
同じく。
相手の天使たちとの距離がみるみる近づく。
50mほどの距離になったとき、軍神があたしたちに向かって叫んだ。
ここは神族のみが立ち入れる神聖な場所である。 直ちにこの地から去れっ!
さもなくば、二度と地上には戻れないことになるぞ!
あたしの名はセレネ! ここには、奪われたあたしの子どもを返してもらいに来た!
速やかに対処されねば、こちらにも考えがある!
なに? お前の子どもだと?
軍神は、あたしの顔を見ながら首を捻った。
そうだ。 あたしとサリエルの間にできた子供だ。 知っているだろう。 今すぐここに連れてきてもらおうか!
沸点の低いあたしの怒りは、頂点に達しようとしていた。
サリエルの子どもならば、天界の子どもぞ! お前に返す必要はない! 今直ぐおとなしく帰れっ!
ならば、力ずくでも連れて帰る!
フハハハッ 人間風情が神族に勝てると思うか!
うるさい! お前ら絶対に許さねぇ!
ゴゴゴゴゴゴゴ
セレネがついにブチ切れたので次回へ続く・・・
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