第303話 ◆イケメンなアンディ

◆イケメンなアンディ


モッフルダフが天界に向かうあたしのために、助っ人(用心棒)を付けてくれると言う。

でも、どんな人か分からないし不安なので、直接会ってみることになった。


助っ人はモッフルダフの船に居るということなので、再び桟橋に向かう。


シルフはモッフルダフの頭に止まり、メイアは手をつないでもらって、モッフルダフも嬉しそうだ。

ちなみにブラックさんは、あたしの頭に乗っている。


桟橋に着いてから、メイアがフィアスと何やらごにょごにょ話しをしていた。 何らかの情報交換かも知れない。


・・・


船の甲板に上がると懐かしい景色が甦る。  この船のマストには何回登ったことだろう。

そうだ、あたしこのマストから落ちたこともあったっけ。


あたしが甲板で待っているとモッフルダフが、助っ人の人を連れて来てくれた。


セレネさん、この人に助っ人をお願いしようと思っているんですよ。

そう言って、モッフルダフが紹介してくれたのは、背の高い映画俳優のような超イケメンだった。


キュウン・・


ああぁ・・ サリエルに会わなければ、あたしこの人の子どもを産んでたかも知れなかったのに・・・


見ているだけで、心臓がドキドキ ときめいてしまう。

モッフルダフ、あたしこの人なら是非とも助っ人をお願いしたいわ♪


ホッ ホッ ホッ


アンディ、セレネさんは君のこと気に入ったみたいだよ。


アンディ・・さんっていうんですか?  あたしは、九条セレネ・オウゼリッヒです。  よろしくお願いします。


アンディです。  よろしく。


こうして、あたしは生まれてから今まで一度も見たことがないようなイケメンのアンディをGETしたのだった。  (いやそれ違うから!)


・・・


アンディは、この世界で3本の指に入るほどの強者だと聞いた。

ヴォルルさんと戦ったなら、いったいどっちが強いのだろう。


身長は、185cm。 (たぶん)  金髪、薄いブラウンの瞳、シックスパックの腹筋、ほど良い力こぶ、優しい微笑み・・・


ああ、もう惚れちまうだろーーーーっ!


はぁ~  あたしは、アンディの放つ雄フェロモンに完全にやられてしまったのかも知れない。


もうアンディの顔を見ただけで、母乳が溢れ出てくる。  ごめんね、あたしの赤ちゃん。

(セレネは初めてのお産なので、完全に勘違いしてます)


それで、アンディは早速、必要物資の買い出しから手伝ってくれる。


重い荷物も片手で楽々運ぶ。  あたしがその姿をポォッと見てたら、メイアが焼きもちをやいた。

そして突然、アンディに向かってボワァーーと火を噴いた。


まあ、火の勢いで本気ではないのが分かるんだけど、アンディは幼女が突然火を噴いたのでたいそう驚いていた。


メイアがしてやったりと、あたしを見て親指を立てて、にぃと笑った。


それを見て、あたしとシルフはプッと吹き出しだ。


でも、アンディは何のことか分からないで、きょとんとしている。


その姿が可笑しくて、また笑ってしまった。



こうして、頼りになるイケメンのアンディが仲間に加わり、あたしは勇気百倍で天界へ向け出発したのだった。

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