第37話 ◆出発
◆出発
次の日の朝、朝食にみたこともないような、大きな目玉焼きが出てきた。
卵は持っていけないから、たくさん食べてと言われた。 久々の卵料理だったので正直嬉しい。
でも、こんなに大きな卵を産む鳥って、やっぱり相当大きい鳥なんでしょ?
あ゛ーー それって鳥のじゃなくて、大蛇の卵よ。 エイミーがニヤニヤしながら教えてくれる。
ブーーッ
予想外の回答に、超びっくりして飲んでたお茶を思わずふきだす。
でも美味しいでしょ?
おいしいけど・・・ 大蛇が襲ってくるのは、卵を盗られたからじゃないのかな・・・
メイアは、大きな目玉焼きをぺろりと3つも食べて、エイミーを驚かせた。 まぁ、姿は幼女でも中身はドラゴンだしなぁ。
シルフは、さっそく嫁気取りで、お決まりの”あ~ん”をしてきて、ちょっとうざい。 でも可愛い。
お腹がいっぱいになったところで、荷物の最終点検を済ませ、出発することになった。
小さめの荷車に最低限の荷物と子供たちを乗せて、メイクル村で見た角の生えた豚みたいな動物に荷車を引かせる。
そして、角の生えた豚さんは密林の手前で美味しい夜ご飯(丸焼き)になるそうで、そう聞いた後に見ていると唾液が溢れてきた。
ちょっと可哀そうな気もするが魔物が居る密林では恰好の餌食になるだけだし、連れている方にも危険が及ぶから仕方ない。
メイアが獲物を見る目(爬虫類系)になっているのが、幼女姿とアンマッチで笑えるが人のことは言えない。
必要な情報ではないけど、こいつは見た目通り豚肉と同じ味だった。
魔物がいる密林までは、平坦な道で両側も草がまばらに生えている程度なので、見通しもよく危険はなさそうだ。
今日は、久しぶりにゆっくりできそうだし、同年代の女の子エイミーといろいろお喋りができるのでワクワクしている。
エイミーの弟(7歳)と妹(4歳)とは異母兄弟で、エイミーは母親を2度亡くしたそうだ。
最初から重い話しで気分が少々暗くなったが、そのあとは周りに住んでいた面白い人たちの話しとか、これから向かう大きな街の噂話しで結構盛り上がった。
途中、何度か休憩しながら日暮れまでには何とか密林の手前まで辿り着き、そこでキャンプをすることにした。
獣や魔物が出るといけないので、崖を背にして三か所に篝火を焚き、火を絶やさないようにエイミーと交代で見張りをすることになった。
シルフは眠ってしまうと役に立たないが、メイアがいれば百人力だ。
夕飯は篝火の中心地点に石を積んで簡単なかまどを作って肉を焼いた。
味付けはエイミーが家から持ってきた秘伝のタレと岩塩を使ったが、これがめちゃめちゃ美味かった。
絶対肉が余って捨てることになるだろうと思ったのだけれど、翌朝用の分を残してきれいに無くなった。
まぁ、誰がいっぱい食べたのかは、すぐに見当がつくのだけれど・・・
横でスヤスヤ眠っている幼女メイアのお腹が異様に膨れて、パンパンになっていたことは言うまでもない。
あれっ? そういえばメイア、おまえ見張りどうするんだよ!
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