第34話 ◆小さな家と幼女
◆小さな家と幼女
メイアに跨って、島の奥へ向かって飛んでいると、遠くに一筋の煙が立ち上っているのを見つけた。
それは明かに人が何かを熾もやしているものだとわかる。
メイア、あの煙のところに行こう。 人がいるかもしれない。
あたし達は、煙が見えてる場所から100mくらい離れた場所に降りた。
人が居ても敵である可能性がある事、もしそうでないとしてもメイアがドラゴンの姿であることが理由だ。
様子を見てくるから、メイアはここで待っててね。
まだ体調が悪そうなシルフを胸の間に挟んで、煙の近くまで用心深く近づいて行く。
大きな葉をつけた植物の間から、そぉっと覗いてみると一軒の小さな家があった。
煙は、その家の煙突から出ている。
きっと食事の用意をしているのだろう。 家の方からスープのようないい匂いが漂ってくる。
ひとまず、この島にも人が住んでいるのが確認できたので、とりあえずメイアの居る場所へ引き返すことにした。
途中、シルフが肩まで這い上がってきたので、会話をしながら歩く。 元気が戻ってきたようなので少し安心した。
やはり大蛇を退治したのはシルフだった。 あたしが大蛇に襲われ食べられそうになったのを見て火炎で助けようとしたけど、シルフが居た位置からだと、あたし毎焼き尽くしてしまうため、シルフもパニックになったそうだ。
そして、ただただ助けたいと言う気持ちでいっぱいになった時、体から光が溢れ出し、それが細い光の束になって大蛇を引き裂いたのだそうだ。
やはりシルフの潜在能力は、計り知れない。 脱皮したので攻撃能力もアップしたのだろうか。
メイアが居る場所に戻ってきたが、ほんの10分くらいしか経っていないのにメイアの姿が見当たらない。
辺りを探しているとガサガサと音がして、何かが近づいてくる。
さっきは、いきなり大蛇が出て来たので、用心しながら近くの木の陰に隠れた。
いまは、シルフは体力を消耗しているので、戦力にはならない。
あたしは、静かに短剣を構えた。
ガサガサ バサッ
なんと茂みから出て来たのは、小さな女の子だった。
この先の家の子供だろうか?
その子は、こっちを見てニコニコ笑いながら近づいてきた。
セレ・・ネ シルフ・・
えっ なんであたし達の名前を・・・
女の子は恥ずかしそうに、モジモジしている。
えーーっ もしかして、あなたメイアなの?
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