第35話 ◆メイアの秘密
◆メイアの秘密
シルフを交えてメイア(幼女)にいろいろ質問をしてみる。
シルフに通訳をしてもらわないとお互いに明確に伝わらない部分が多いからだ。
なぜ、女の子の姿になったのかは、人の姿でないとこれから先いろいろ不都合な事が多いからだという。
例えば、ドラゴンの姿や大きさでは、村や街中を歩けない。
現に今し方も自分だけ置いていかれて寂しかったそうだ。
では、何で変身することができるのか。 これはドラゴンが持つ魔力のようなものらしい。
なぜ、幼女の姿なのか。 こちらは、自分のドラゴンの年齢に合わせるとこんなものだという。
まだまだ、突っ込みたいところは、いろいろあったけど姿や仕草が可愛いのでこのくらいにしておこう。
せっかく人の姿になったのだし、前々から思っていたようにメイアに言葉を教えて、たくさん話しができるようにしたい。
あたしに、嫁シルフと子供メイアがいっぺんにでき、この世界も満更ではなくなってきたかもしれない。
シルフを肩に乗せ、メイアの手を引いて、さきほど様子を見に行った小さな家へ行ってみることにした。
人がいれば、この島の情報が少しは手に入るだろう。
そして気が付いた、幼女は歩くのが遅い。 仕方が無いので抱っこする。
メイアにはいつも乗せてもらってばかりだったので、たまに抱っこしてあげるのも良いだろう。
右手にメイア、左肩にシルフ。 なにやら二人の間に険悪な雰囲気が感じられるが、気の所為だろうか?
そうこうしているうちに、距離が近かったこともあり、おいしいスープの匂いがする家の前まであっと言う間に付いた。
トン トン
出入口のドアを軽くノックしてみる。
ドアの向こう側でパタパタと足音がしている。 一人の足音ではない。
なかなか出てこないので、もう一度少しだけ強めにノックする。
コン コン
すみません。 どなたかいらっしゃいませんか~。
するとドアが少しだけ開いて、その隙間から銃口らしきものがにゅっと突き出された。
その銃口は間違いなく、あたしの左胸を狙っている。
あたしは、メイアをそっと降ろし、両手を上げた。 果たしてこのポーズはこの世界でも通用するのだろうか。
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