第24話 ◆雌3匹のパーティー
◆雌3匹のパーティー
ドラゴンに跨り高度を上げてみて、初めてエリージャ伯爵領の広大さが分かる。
また、伯爵領とその向こうの王都の境目には大きな川が流れており、架かっている橋の少なさから同じ国とは言え独立意識が強いことが見て取れる。
攻められ難くするために敢えて橋をかけない。 こういうのを授業で習った記憶がある。
ドラゴンは滑空しながら、ゆっくりとその向きを南に変えてゆく。
JK、妖精、ドラゴンという変わったパーティーが、海を渡り南の国を目指すのだ。
南の国に向かっているにも関わらず、高度が高く飛行速度も速いため、かなり寒い。
鳥肌が立つ。 このままでは風邪を引きそうなので、ドラゴンに高度を下げてもらうようにシルフ経由で頼む。
やがて少しずつ高度が下がり始める。
シルフから、この世界のドラゴンは人の5歳児くらいの知能があるので、直接意思疎通ができるかも知れないと聞いた。
それならば、せっかく仲間になれたのだし、良い名前をつけてあげよう。
時間はたっぷりあるので、いろいろな名前を考えてみる。
オルフェウス イカロス アルテミス ヴァルキリー アレス ウラノス・・・ う~ん 絶対にこれじゃない感だよねー
やっぱりもっと、かわいいのがいいかなぁ。 アイル ノア ララ ロロ メイア ノノ ・・・
んっ? そういえば、この子って男の子でいいんだよね?
ねぇ、シルフ。 ドラゴンに雌雄の区別ある?
このドラゴンは雌。 シルフも雌。 セレネも雌。 脳内言語変換も完璧ではない。
あ~ ハイハイ。 みんな女なんだねー。
ってか、このドラゴン女の子だったんだ!
それじゃ、メイアかララがいいかな。 ねぇ、シルフはどっちがいいと思う?
みんな雌、みんな3文字。
なるほど。 それじゃ、メイアに決定だね。
おっほん。 ドラゴンちゃん、今日から君の名は・・・ あれっ? 君の名って・・・みつは?
じゃなくって、メイアだから。 ネッ、かわいい名前でしょ。
メイアは長い首を少しだけこっちに向け、あたしを見た後に大きな唸り声を上げながら、真っ赤な炎を吐き出した。
ね、シルフ。 あれって気に入ったってことでいいんだよね?
たぶんそう。
そうだ、暇なときにメイアに言葉を教えよう。 その方が便利だし楽しいし。
1時間ほど飛行を続けているが、グライダーのように風に乗って飛んでいるため、メイアに疲れはないようだ。
遥か遠くだが、島影が見えている。
そうだ、もし島に降りれる場所があれば、水や食料を探してみよう。
しばらくすると島の形や大きさが、だんだんハッキリしてくる。
だが、近づくにつれて、島の様子がなんだかおかしい。
んっ、 もしかして、この島動いてるのか?
**** 二部の目次(掲載予定)
◆雌3匹のパーティー
◆不思議な島
◆モッフルダフ
◆人食い植物
◆メイア大活躍
◆脱皮
◆鮫潜る!
◆世界地図
◆一つ目の島
◆大蛇
◆小さな家と幼女
◆メイアの秘密
◆エイミー
◆出発
◆魔物がうようよ
◆エイミーの弟妹
◆エイミーの憂鬱
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