第18話 ◆メイド始めました
◆メイド始めました
部屋で待っていると、フネットさんが二人分の朝食をワゴンに乗せてやってきた。
フネットさんは、身長が180cmあって、立ったまま話しをしていると首が痛くなる。
力だって並みの男性ではかなわないだろう。
フネットさんは、今日は10時で仕事を終えて家に帰るそうで、それまで当面の仕事を教えてくれるそうだ。
食事をしながら、1時間ほど世間話をする。
この町の中心には、城壁に囲まれたお城があり、町はいわゆる城下町として発展してきたことや伯爵様が王様の従兄であること。
町の周りは、広大な農園や牧場があり、東へ30kmほど行くと海があって、海産物も豊富に取れること。
隣り合った国とは仲が悪く、頻繁に戦争になっていること。
フネットさんの妹さんが副メイド長をやっていて、10時から交代でやって来ること。 その妹さんの身長が190cmあること。
などなどを冗談を交えて楽しく話してくれた。 フネットさんもいい人みたいで良かった。
それで、あたしの仕事はというと、いきなり伯爵さまの身の回りのお世話らしい。
まずは朝食の準備、これは厨房から運んだり、食事が終わったあとに食器を下げればよい。 食器は別のメイドさんが洗ってくれる。
食事が終わったら、着替えのお手伝い。 ベッドメイキング。 部屋の掃除。 10時と3時のお茶出し。
あとは、伯爵様から直接申しつけられる雑用。
と、こんなところらしい。
懸念事項なのは、あたしの前に伯爵様のお世話をしていたメイドさんが、今の第二夫人だという事だ。
やっぱりチャラオには気をつけた方がよいかもしれない。
今日の仕事は、10時のお茶の用意からでよいそうなので、それまでは自分の部屋の掃除をすることにした。
掃除を始めてから少しすると、フネットさんが制服(メイド服)を持って来てくれた。
ついでに、妹の副メイド長を紹介してくれた。
始めまして、九条セレネ・オウゼリッヒです。
こちらこそ。 わたしは、サステマといいます。
う~ん。 なんかこの人の名前も歯ブラシみたいだなぁ・・・ なんで歯ブラシが頭に浮かぶのだろう?
さぁ、わたしはそろそろ帰る時間だし、あなたも伯爵様のお茶を淹れる準備があるでしょう。
フネットさんは、そう言うとサステマさんに、お茶の準備の仕方をあたしに教えるよう指示した。
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