親子丼はワンコインで

野口マッハ剛(ごう)

第1話 500円に愛を込めて

 暑い夏はジリジリと彼女たち二人を焼き、良い感じに水着のアトが残る。僕もまたパンツ一丁でテントが股間に張っていた。ついにワンコインでこの親子が食べれるのだ。据え膳食わぬは武士の恥、僕はどうやら天国を見ることができるようだ。


「ねぇ、ママ? 僕さんがケダモノのようよ?」


 娘の一言にママは僕の股間に顔を近付ける。そして、こうママは囁いた。


「僕さんって立派な息子さんをお持ちなのね?」


 僕はそこで発射した。


 と同時に目が覚めた。


 顔中汗まみれだ。


 僕は股間にベトベトした不快感を覚えた。


「ちくしょう、夢かよ……」


 夢の親子は、隣の住人でもある。


 僕は股間を鎮めようとして、シャワーを浴びる。


 取りあえず、ママと娘とは今日、会う約束をしていた。


 正夢にならねえかな……。

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