第34話 I miss you

僕は幻聴の攻撃に耐えながらスマホを握りしめていた。

幻聴の気晴らしになると理由もあるけど、綾音さんからのラインを即座に感じるためだ。ストレートにあなたがいないから寂しいなんて打てない。

きっと歌の中のフレーズくらいがふさわしいと思う。

このフレーズが歌の中にあって、調べてみた事がある。


神「一人で生きていけない蛆虫だな。こらっ死ねよ」

脳内でひときわ大きな声で幻聴が鳴り響く。


悪魔「蛆虫に失礼でしょう。この人形をしたなにかに対しては形容詞がみつかりませんね」

悪魔の幻聴は耳の中でささやく感じだ。もちろん脳が錯覚している事を知っている。知っていても辛さが減るものでもない。

晩御飯後の薬を飲む時間まで長い。


幻聴を感じている僕だから、いや幻聴が無くても綾音さんに会いたい。

話をしたい。

笑顔が見たい。

ただ会いたい。

ただ綾音さんとラインができない時間はさみしい。

狂おしいほどに、綾音さんが欲しい。                    子供じみた独占欲だなのは分かっている。

心が壊れていくのかもしれない。

だけど会いたい。 

                                 続く


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