哲学ぽいあれこれ

湿原工房

他者について

自己と対称性をもつものを他者という。


対称性は全うされない。


対称性が全うされたものを自己という。


対称性を半面にもちつつ、反面に非対称性を備えたものを他者という。


自己と非対称性をもつものを他者という。


非対称性が全うされたものは理解できない。


他者は自己に半歩足を踏み入れる。

もう半歩は自己の外側に立っている。


自己は他者に半歩足を踏み入れる。

もう半歩は他者の外側に立っている。


対称性から非対称性が解釈される。


非対称性が対称性を崩していく。


対称性と非対称性の変容は他者と自己を変容する。


他者に共感し

他者から共感され、

自己を批判可能にし

自己によって批判可能になる。


批判のない自己を孤独という。


他者に虚構の対称性(安易な同意)を見出すとき、孤独感が湧く。


他者に非対称性が見出せないとき、孤独感が湧く。


自己の世界解釈への批判者として他者は現れる。


世界は完全な解釈できると仮定し、飽くなく新説を世界に投げる。


世界は自己の世界解釈に対し対称性がある。


世界は自己の世界解釈に対し非対称性がある。


解釈を非対称性が砕く。


非対称性を対称性に組換え可能なとき、そこに他者が立ち会っている。


非対称性を対称性に組換えるとき、対称性も新対称性に組換わる。


他者のない自己に世界は開かれない。


世界のない自己に他者は開かれない。


他者を解釈することは全うされない。


解釈が全うされるとき、他者は自己になる。


他者は解釈し尽くされない限りで他者でいられる。


他者は非対称性を失わない。


他者の批判が自己を再構築するとき

自己の批判に他者は再構築され対称性を生み、非対称性も同時に生まれる。


終わりない螺旋を描いて自己は他者を解釈しつづける。


終わらない螺旋を描き終えたように装うとき、独善と傲慢に陥る。


自己の独善と傲慢は認識されない。


自己の独善と傲慢は他者の非対称性に気づかない。


世界解釈に不審を抱かない自己には他者がいない。


架空の対称性を信じきっている自己は、ただ見えない非対称性の干渉に苛立つより仕方がない。

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