むかしばなし

第1話 授業参観

 それは私(ロン)が、小学1年生での初めての授業参観のことでした。

 今となっては、何の授業だったか覚えていないのですが、私も母も、未だに忘れない、とても印象的な授業参観だったんです。


 いつの時代も、どこの地域でも、そうなのではないでしょうか?

 授業が始まる前、入ってくる母親たちを見ながら「あれは僕の……あれはアタシの……」と指を差し、中には母親に手を振る者、返す親もチラホラと、その割りには、そんなに騒がしくなることもなく、チャイムと共に授業は開始されました。


 先生「これ解る人?」


 生徒「は~い! (・o・)ノ」


 先生は、できるだけ皆に答えさせようと、万遍なく当てて行きました。

 そんな中、私は一度も手を挙げることなく、この授業参観を終えようとしていたのです。


 それは、恥ずかしいからではなく……、


 解らなかったんDEATH!(TT)


 担任の先生は、私が当たっていないことに気づいていました。

 それは何故か?と言うと……実は、とても気に入られていたのです。

 その頃の私は、誰もが認める可愛い少年だったのです!(><)b

 今となっては、残念で惨めなオッサンですが……

 誰が惨めなオッサンやねん!( ̄口 ̄#)


 そして授業は、残り5分となり、最後の一問を迎えます。


 先生「まだ、当たってない人?」


 ロン「は~い! (・o・)ノ」


 先生「ハイ! ロン君!」


 ロン「へ? (?_?)」


 先生「ハイ! ロン君、答えて!」


 ロン「当たってない人って言ったから手を挙げたのに……答えが解るなんて言ってないのにぃ!( ̄~ ̄#)」


 呟いたんですが聞こえたようで、親たちは大爆笑!


 先生「(^^;)……ロン君……こ、これ……解る?」


 そして、私は元気いっぱい答えました!


 ロン「解りません!(^o^)」


 再び、教室は親たちの笑いで、包まれましたとさ。

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