少女童話物語

@mohuko625

第1話Encounter

私、安齋百合香は平凡な日常に飽きていた。

学校の授業は退屈で、友達との無駄な会話だって一見楽しそうに見えるだろうが、その実とてもつまらない。


あぁ、童話の世界に入れたらどれだけ私の日常は変わるのだろうか…。


「ふふふっ、貴方を救済致します。」

えっ、こいつ頭の中に直接語りかけてる…?

「だっ、誰!?救済って何のことよ!!」

私は、午後8時の公園で不思議な声に対して1人で叫んでいた。

私の叫び声は、誰もいない静かな公園に反響するだけだった。

「確かに誰かの声が聞こえたと思ったんだけどなぁ…。まぁ、いっか、とりあえず帰ろう」

謎の声は私の幻聴ということにして今日は帰ることにした。

帰り道の途中、私は自動販売機でジュースを買ったのだが、なんと、最高に運のない自分がもう1本ジュースを当ててしまった…。

「運を使ったと考えるとこれは不幸なのか幸運なのかわからないな。」

まぁ、珍しい事もあるもんだと思い該当の少ない暗がりの夜道をスキップして帰ってゆく。

「家にたどり着かない…。」

えっ??なんで???公園から私の家までってこんなに遠かったけ??え、まさか、いい歳して迷子…。

とにかく、私が今やばい状態なのは分かった。

「ちょっと、そこの貴方、何をしているの?」

「いや、あの少し道に迷ったみたいで…」

私は振り向いた瞬間に驚いた。それは、あまりにも綺麗で儚く、そして、この世のものとは思えなかったからだ。

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