イラストレイティング

言端

デモンストレーション

アスファルトを焦がす影絵と、蒼天に誰かが描いた雲の群れに、鈍色の鋭い角を宛てがう。暑くてたまらないから、太字のサインペンで書いたような嘘くさい輪郭線をなぞっていったら、切り取れるような気分になったのだ。筆と同じ握りで細いカッターを振り上げて、するりするりと空に切り込みを入れるふりをしてみたが、そういえば切り取った世界や僕を貼り付けておく場所などないのだったということを思い出して、僕はつまらなさに一つ溜息を吐いた。

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