彼岸花

いとあはれ

プロローグ

 人間は感情がある。

 そのおかげで物事を判断し理解することが出来る。

 だがその一方、感情があるせいで怒りや悲しみが生まれる。

 怒りが生まれて成長すれば、喧嘩や戦争に発展する。

 悲しみが成長すれば、やがて無が訪れる。

 感情は必要なのか?

 感情が無ければ、戦争も悲しむこともないのではないか?

 世界平和を唱えることが出来るのではないか?

 僕はそう思っていた。

 僕だって、人間だ。

 だが、それ以前に感情という人生で不必要なものは必要ない。

 ある一人の彼女に逢うまでは…。

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