目論見通り

「てか、今すぐやる必要なくね?」

「…なんでだよ…?てか、俺にやらす気満々じゃねぇか!!?」

「だってさ、普通には起きれるようになったんだし?

これから学校に通うしさ、そこで魔法習いながら慣れていけば良いんだよ」

「…」

『なるほど!今は初心者だから、魂に悪影響が出るかもしれないが

慣れてからなら、問題ないな!』

「…慣れるか分からねぇんだけど…」

「大丈夫大丈夫、何とかなるよ」

「それ『大丈夫』の根拠ねぇじゃねぇか…」

『まぁまぁ…ユウキにかけてもらってもリスクあるし

慣れて自分でかけた方が安心は安心だと思うが…』

「そーそー、僕がちょこーっと試してみたい事とか織り交ぜたりとかしたら…」

「おまっ!?んな事考えてたのか!!?」

「…いや、うん、ちょっとだけしか考えてないからさ!!」

「ちょっとでも考えるなよ!!?」

(まぁ、こうでも言っとけば、不安で自分でするって言うだろ…

半分くらい、本音だけどね…うん…

どうなるのかは気になるじゃん??

実験してみたいっちゃーしてみたい…

どうやったら確実に回復になるかを突き止めるためには

色々実証実験が必要だしなぁ~)

(っ!!?コイツ…何か絶対悪い事考えてる!!!)


何かを感じ取ったらしいキョウヤが、更にユウキに任せる事に対して

不安を覚えたのは、言うまでもない


「分かった、自分でやる!!」


結局の所、ユウキの目論見通り…

まぁ、その通りにいかなくても、ユウキにしてみれば

実験が出来るので、それはそれで良かったりする


「ぁ…今の会話…ミナミには…?」

『今はユウキとキョウヤにしか繋いでないから大丈夫だ』

「そっか…良かったぁ…」

「はぁ?別に聞かれても問題は…」

「いや、ミナミの中には、ココの常識がしっかり染みついてるからね?

魔法かけて魂回復させました~…とか言ったら

多分、絶対ビックリすると思うから…

(そして、最終魔法の言葉で終わるんだろうな…)」


どれだけ、驚いても最後は一つの魔法の言葉で終わるのだ

なら、別に無駄に驚かせる必要もない


「ユウキちゃ~ん?キョウヤ君起きた?」

「うん、起きたよ~」


あまりにも戻って来るのが遅かったので

心配したミナミがドアを開けて、様子を見に来た


「そっか!それじゃあ、夕ご飯にしよ!」


と、いうわけで、みんな揃って椅子に座る

目の前にはサラダにアヤキにスープ…そしてご飯が並んでいる


「あぁ、腹減ったぁぁ~」

「いや、キョウヤ半分くらい寝てしかないからな?」

「そーだけどよ…腹減るもんはしゃーないだろ」

「あぁ…赤ちゃんと一緒だな!

生きてるだけでエネルギー消費するっていう!」

「俺は、魂の回復にエネルギー消費してんだよ!!」

「確かに、魂の回復には、莫大なエネルギーいりそうだよね!

じゃあ、沢山食べてね~」

「「「いただきまーす」」」


と、キョウヤをからかいながらも

楽しい夕食でこの日は終わったのだった

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