ユウキの嫌いな物

「とりあえず、新たなスキルを使うにしても、僕のMPを回復させないと…」

「ご飯食べたらMP回復するんだよね?!」


目をキラキラさせてミナミがユウキを見る

ミナミが言いたい事は分かる

分かるが、今はそれが出来ないため目を逸らす


「まぁ、そうだけど…今、ご飯食べたばっかだから

お腹いっぱいなんだよね…」

「あ…そういえば…」


テーブルの上には、完食されて残ったお皿だけが並んでいる

普通に1食として十分な量があった

食べ盛りの男の子…なら、まだ食べれたかもしれない…

だが、ユウキは女の子だし、今までこれくらいの量で十分だったため

更に…食べる事は現時点では無理だった


「ん~…じゃあ、飲み物とかは?」

「…何を使って飲み物作るの?」


今、現時点である物で考えると、出来上がる物はだいたい決まってしまっている

普通にセレインの水を飲むという選択肢

そして、現状沢山ある野菜をジュースにする…という選択肢

セレインの水は美味しいし、何の問題も無い…飲む分に関しては…

だが、セレインの水である以上、回復効果は期待できない

野菜ジュースに関しては…


「野菜ジュースとか、僕嫌いだから嫌だよ」

「そ…そうなんだ…」


ユウキが野菜ジュース嫌い…という問題があったのだった

一方ミナミはユウキの意外と子どもっぽい一面を見て

思わずポカンとなってしまった


「まぁでも、ミナミとかキョウヤは嫌いじゃないんだったら

作ってみたら良いんじゃない?」

「そだね、作ってみようと思うけど…魔法道具が無いからね…」

「あぁ…ミキサー的な?」

「そうそう」

「ミキサーみたいなのって、市販されてるの??」

「うん、普通に魔法道具屋に行けば置いてあるよ~」

「ちなみに作り方は…?」

「そ、それは図書館で調べるか…

う~ん…ミキサーみたいなのは、基礎じゃないから…

もしかしたら、販売されてる書籍かレシピで売られてるか…かな」

「あぁ~…やっぱ図書館って基礎的な事しか置いてないのか…」

「うん、上級編まで置いてあるけど、応用とか個人的に開発した物とか…

そういうのは、あそこには置いてなくてね…

自分で店構えてる人は、レシピをそこで売ってたりするよ」

(そうだよなぁ…自分で一生懸命作った物ほいほい教えたりはしないよねぇ)


図書館で調べられる限界はあるようだ

その事に、小さくため息をついたユウキ


「まぁでも…無くなってしまわないように

図書館の奥に、書籍やらレシピやらが保管されてはいるんだよ」

「あぁ…あのカウンターの奥か…成程ね…

てか、さっきから気になってたんだけど、書籍とレシピってどう違うの?」

「ん?えーとね、書籍はレシピが何個も収録されてるんだよ

あと、普通に物語とかもあるよ!

で、レシピはね、1個1個単独で売られてる状態だよ」

「なるほどね…ソロかアルバムか…って感じだね」

「ま、そんな感じ」


そんな会話をしながら、ミナミはテーブルの食器を片付ける

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