品揃え

「んじゃ、素材店に行くか」

「そうだね♪」


ギルドへの登録は出来たので、次の目的地へと足を運ぶ

メインの通りから少し横にずれると、やはり人は多少少なくなる

しかし、その分道も少し狭くなるのだ

まぁ、つまり、密度としては左程変わらないのである


「よし、着いた!」

「素材店『トレード』ね

品揃えが多そうだね!」


店内に入ってみると、ミナミが感じていた通り

品揃えは多かった

普通に生産を行うために必要な物はほぼ全てあるだろう


(薬草関係に…鉱石関係…それから木材関係…

それから、野菜も置いてあるし…更にビンとか何やら…色々…)


この店に来たら、何でもそろうのではないか…

と思わせるくらいの商品の数

種類豊富だが、流石は素材店…

生産するために必要な物しか置いていない


「ん~…初めは簡単なアヤキでも作ろうかなぁ」

「そうだなぁ…んで、固定客がついてきたら

デザート系の物を出せば良いんじゃないかな

まぁ、その前に、材料を見つけ出さなきゃだけど…」


いきなり、知らない物がドンッと出されても困るだろう

まずは、この場所で馴染んで信用してもらわないといけない

そして、その間に砂糖やら小麦粉、卵など必要になってくる物を

安定的に入手できる場所を見つけておかなくてはならない


「肉だったら、ココだろ」


キョウヤが指さした先には、沢山の種類のお肉が並んでいる所

右下に書かれている個数も、なかなか沢山ある


「入荷先としてどう?」

「どれだけ1日に売れるか分からないけど…

十分な量だと私は思う!」

「だよな…足りなければ僕らが狩ってくる事も出来るし…」

「それじゃあ、食材はココで買うとして…

次は換金所で口座作らないと」

「そういえば、シーヴァ達が金塊の取引で使ってたなぁ」

「口座を作っておけば、カードをかざすだけで、お金のやり取りが出来るの!

向こうの金融機関と同じと思って良いかな

ついでに、融資とかもしてくれる所だね」

「えーっと、換金所は何処かなぁ…」


マップを出して場所を確認しようとしたユウキ

しかし、ミナミがガシッと手を握る


「ぇ?」

「だいじょーぶ!私が分かるから!

ほら、キョウヤ君も行くよ!」

「あ…あぁ…

(何だろう、女性の買い物に付き合わされてる気分…いや、そうなのか…)」

(僕も、換金所で口座作ろうかな…)


ユウキは引っ張られながら、そのうち必要になるであろう

口座を作る事を決めた

一方、ミナミは全くためらう事なく、道を突き進んでいた

きっと彼女の中には、この場所の地図も入っているのだろう

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