ステータス初期化
「それは、ステータス初期化…というものだ」
「ステータス初期化?何だそりゃ…」
(マジか…スキルポイント初期化とかはあるけど…ステータスを…?)
「その名の通り、ステータスを最初の状態に戻すんだよ
基本的には、重犯罪者に使われる事が多い物で、
このスキルを持ってるのは、ギルドマスタークラスの人達だよ
しかも、独断では使えないスキルで…
スキルをかける人の名前を記入して、10名以上の署名が必要なの」
「って事は…コイツ等は10名以上に署名された…って事か…」
「まぁ、街の人達から、またコイツか…的な視線受けてたしな…
(ここの知識持ってるミナミが色々教えてくれるから、助かるなぁ)」
もう少しミナミとの出会いが早ければ、学校に入学しなかったかもしれない…
一瞬、その考えがユウキの中に生まれるが…
(まぁでも…この世界の人とも関わらなきゃいけないし
何でもかんでも、ミナミを頼るわけにもいかないしな…)
その考えを頭から消し去り
逆に滅多にお目にかかれないであろう、ステータスの初期化のスキルを見ようと
そちらに意識を集中させる
「はぁっ!」
ゼノンはゲアルとレアルの方に手を向ける
2人は完全に伸びていて、動く気配はない
そんな2人を光が包み込み
10秒程で、その光は消えていった
(…これで、ステータスの初期化が行われたのか…?)
見た目には、何も変わらない2人
怪我は少し治ってきているが
多分、それはステータスの初期化とは関係ないだろう
(まぁ、鑑定してみれば分かる事か…。鑑定)
―☆―ステータス―☆―
ゲアル・フリスク
年齢:20歳
身長:181㎝
体重:100㎏
レベル:1
職業:冒険者
スキル:格闘術(10)・一撃必殺(5)・剛腕(8)
HP:25
MP:13
攻撃力:10
魔法攻撃力:5
防御力:10
魔法防御:5
力:10
素早さ:5
命中率:5
運:5
―☆― 終 ―☆―
「ぇ…マジか…初期のステータスってこんなもんなのか…」
鑑定結果に、ユウキはポツリと呟いた
声が小さかったので、近くにいる2人にも声は届いていないようだ
(…確か、スライムで攻撃20の防御20だったよな…)
普通に考えて、このままだったら、スライムにすら負けてしまう
スライムに負けてしまえば、何に勝てると言うのだろう…
(もしかして、僕が知らないだけで、もっと弱い魔獣がいるの…かも?)
今の所、この街周辺で見かけた魔獣は、スライムとブラウンボアだ
少し離れればホーンラビットなどもいるが…
「ねぇ、ミナミ…」
「ん?な~に??」
「この近くの魔獣でさ、一番弱いのって、何?」
「この近くっていうか、基本的に街の近くにいる魔獣は弱い傾向だけど
滅茶苦茶弱いのは、ススかな」
「…すす?」
「うん!スス!」
「ナニソレ?」
「え?知らないの?」
「まぁ、出会った事無いから…(スライムが一番弱いと思ってたし…)」
ユウキが知らない…という事に、ミナミは心底驚いた
まぁ、この世界では、一番に出会う魔獣なのだろう
しかし、残念ながらユウキが一番初めに出会ったのはスライムだし
その次はブラウンボアである
そして、ユウキはスライム以上に弱い魔獣がいるとは思ってもいなかった
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