若く見られるって…

『嘘だ…信じねぇ!!俺があのチビガキにやられたなんて…嘘だ!!

俺は認めねぇ!!認めねぇ!!』


(ずーっとブツブツ言ってたよな…怖いくらいに…)


憲兵の男性は、ダークサイドの人間を捕縛した事を

ギルドマスターに報告に来たのだが

どういう状況で捕まえたのか…という詳細をユウキから聞いていなかったため

どうしようかと相談した時に、特徴を伝えた所

ギルドマスターが心当たりがある…というので、今に至る


(あんなガキが連れてきたから、印象深かったが…

まさか、あのガキ本人が捕まえたってのには驚きだ

いくらチビガキと言っても、もう少しデカイと思っていたが…)


チラッとユウキの方を見る

その容姿は、ダークサイドの人間を捕まえられるような力を持っているとは

全く思えない、普通の小さい子どもにしか見えない


「しかし、ギルドにも登録してない子の事…よくご存知でしたね

お知り合いか何かですか?」

「いや…この子は、ギルドに登録しておるよ」


ゼノンの返答に深く頷くユウキ

男性はユウキを見て…


「(あぁ、ギルドに登録してるのか…なるほど、それなら納得……………)

えぇぇぇ!!!!?お前、14歳なのか!!!?」

「14だけど何か問題あるわけ!!!?」

「お前のその容姿、絶っっっっっっ対10歳いくかいかないかくらいだぞ!!!!」

「じゅっ!!?」

「これこれ、ユウキ君は14歳で間違いないぞ

ちゃんと、ギルド登録の際にステータスをカードに書き写して確認済だ」

「そうなんですね…」


男性は納得してはいないが、ギルドカードを作る時に確認しているなら

それは間違えようがない…というのも十分に分かっている

理解するしかない

一方、ユウキは10歳と実年齢よりも4歳下を言われ、ショックを隠し切れない


「…僕だって…僕だって…好きでこの大きさじゃねぇーんだよ!!!!!」

「うぉ?!」

「まぁまぁ、落ち着きなさい」

「うぅ…」

「わ、悪かったよ…気にしてたんだな…」


ユウキの反応に、罪悪感を感じた男性は謝罪し

ユウキもそれを受け入れたのだった


「とりあえずユウキ君…この先、ダークサイドの人間と会う事があるかは分からぬが

見つけたら優先的に討伐、捕縛し連れてきて欲しい

あ奴らは、一般の者に危害を加えるのでな…野放しにはできん

もちろん、捕まえたら報告して欲しい

活動範囲や拠点が分かるかもしれんからな」

「えぇ~…報告義務があるんですかぁ…」

「面倒だが、街のためだ」

「…はぁ…仕方ないですねぇ…人の命がかかってるなら…」


本当は面倒で仕方ないが

得られた情報から、次に被害が出ないならそれに越した事は無い

非常に面倒だが、報告する事に同意したユウキだった

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