ナース

「よーし、これで良いかな?」

「こんなもんだろ」


キャベナを250個と150個採集し、インベントリに片付ける

インベントリの中がどんどんと増えていくが、重さには感じないので楽だった


(普通に収穫してたら、増えていくと重いもんねぇ~)


ココでは、インベントリにしまえば、場所を取らないし

2人のインベントリは重さを感じないから、いくらとっても変わらない

普通は重さを感じたり、上限があるようだが…


「次は…ナースか」

「さっさと行って終わらせようぜ」

「そうだな」


採集を始めてどれぐらい経っただろうか…

外にいるので、時間的な感覚は分からないが

数時間経っているのは間違いない


(人に会えば大事になりそうだし…早く済ませよう)


採り尽している所を見られるのは、少し気が引ける

が、出来たら採り尽してしまいたい

きっと、採り尽した所で誰も文句は言わないだろう

時間が経てば、再び実のだから

だが、その採集スピードを見られたら、騒ぎになるだろう


(昨日取材された件は…もう記事になってんのかな…)


ふと昨日の事を思い出す

あの金塊の量だったから、騒ぎになったけれど

あれは、量に驚かれたものであって、その過程では無い

その過程を見たのは2人だけ…その2人も結構驚いていたし

この光景を何も知らない人が見れば異様だろう


(人がいれば、少しセーブしながら採集しないと…だな)

「お、あそこがナースの採集場じゃねぇか?」


キョウヤが指さす先には、紫色が固まった場所

今までとはまた違う光景に2人は足早にそこへ向かう


「…これってさ…」

「ナスだな、ナス以外の何物でもねぇ」

「そうだよね…ちなみに、この実のなり方ってさ…」

「パイナップルだな」

「ですよねー」


その紫の場所には、確かにナスがなっていた

この世界の名前で言うとナース

しかし、なっている状況は、パイナップルだった

しかも、パイナップルとは違い、ヘタが下になっているという…

つまり、ナースは逆さになって実っていた


(逆さ向いてるとか、バナナかよ…)


色々な複合に、ユウキは心の中でツッコミを入れる


「もう、ココではこんな事、ありきたりだろ!

さっさと採集して、次行くぞ、次」

「そうだな…とりあえず、鑑定はしとくけど…」


何度も同じ事があったので、キョウヤもスルーする事に慣れてきたようだ

初めにツッコミというか…一言は言うが


◇ナース◇


焼いても煮ても食べられる

ヘタには毒素があるので、食べる時には必ず取り除く

採集時には、素手でヘタに触れないよう気を付けなければならない

皮膚が炎症を起こし、しばらく使えなくなる


「はぁ!!?ちょっと待てキョウヤ!」

「何だよ?」


採集にかかろうとしていたキョウヤはメンドクサそうな顔でユウキを見る

まぁ、普通に向こうのナスと同じという認識では

何をそこまで慌てて止めるかは理解出来ないだろう


「(鑑定しといれ良かったぁ…)ナース、ヘタに毒があるから触るなよ!」

「はぁ!!?ヘタに毒とか…何でだよ!!?」

「僕が知るわけないでしょ

鑑定してそう書いてあるんだから…とにかくヘタに触らないで採集するしかないよ」

「そうだな…別にヘタに触らなかったら良いんだし…」

「ん?いや…素手で触れたら…だから、手袋か何かをすればいいのか」

「あぁ、なるほど、確かにそうだな」


2人はそれぞれ、メイキングで手袋を作ると、それを使って採集していく

茎の所で折れば良いので、採集するのは割と簡単だった

ヘタに肌が触れないように気を付けなければいけないが…


「ふぅ…何とか採り終えたな」

「ナースの採集にこんなに気を使うとは思わなかった」

「俺も…」


気を使いながら採集をしたので、2人とも少し疲れが見られるが

採ったナース200個と110個をインベントリにしまって

マップを開き、次を目指す

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