生産活動

「まずは、ポーションとポーション<ランク1>だな!

 えっと…体力草は280個…

 140個ずつで分けるか…先にポーションからだな」


ユウキは慣れた手つきで体力草をすり潰していく

そして、部屋に備え付けた蛇口から、セレインの湖の水を出して浸す


「ポーション作成!」


ただの潰れた体力草が入っていた水からポーションに変化させ


「あ、入れ物忘れてた

 280個か…ま、魔力的には余裕かな」


錬金術の画面を出して、魔力を込めると280個の入れ物を作り上げた

その入れ物を指の間に挟み、一気に8個ずつポーションを入れていく

まぁ、ポーションが勝手に入ってくれるので、両手が塞がっても、特に問題は無い

18回同じようにすると、140個のポーションが完成した

ココまでに1時間程の時間を要した


「さーて、次はポーション<ランク1>だな」


薬術師の画面を開き、作り方を確認する

<ランク1>とついているので、材料が1つ増えている

それ以外は基本的に変わらない

その増えた材料が活性草なのだ

その活性草の使い方だが…


「えーっと…ポーションになっている液体に活性草を1枚浮かべる…?

 この場合は1つ分の材料だから…140枚いるって事だよね


 んで、浮かべたら、ポーション<ランク1>作成って言いながら、魔力を送る…」


てっきり、活性草も潰して混ぜ込む…みたいな事をイメージしていたユウキ

浮かべるという表現に、思わずその箇所を2度見してしまった


「マジで、浮かべるだけで良いのか…?そんなんでいいのか…?」


作り方を最後の方まで読んでいくと…


「ん?…この方法で作れるのは低級~上級まで

 傑作を目指している人は、工夫をしなくてはいけない…って…」


書いてある言葉に首を傾げる

何故浮かべる方法では傑作が作れないのか…

ポーションの時は、やり方に違いはなかったはずなのに…と思いながら考える


(多分、工夫がいる…って事が書いてあるって事は

 少なくともポーション<ランク1>の傑作を作った事がある人がいるって事だろ?

 何でも教えてもらうより、自分で考えろ…って事かな…?)


傑作というのは、効果が跳ね上がる物だ

そんな高価な物をほいほい載せない…という事だろうか


(まぁ、別に傑作作りたいわけじゃないけどなぁ…

 でも、どうすれば作れるかは気になるんだよな…)


方法が分かれば、きっと傑作になる方を作るだろう

それは、きっと間違いない


(すぐ考えて出来そうな事だったら、良いけどな…)


そんな事を考えながら、とりあえず、先程頭を掠めていた

活性草をすり潰す事から始める

一本一本が長い活性草…それを140個すり潰すのは、なかなか至難の技だった

体力草なら10分程で終わる作業を20分かけてやり遂げた


「さて、ココに体力草入れて~」


活性草をすり潰したすぐ上に、体力草をバサバサと入れていく

乳鉢の中は、アッサリオレンジ色に染め上げられる

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