レパートリー

「てか、作業入る前に、昼飯にしよーぜ」

「あ…もうそんな時間なのか…」


現在の時刻は昼の5時

丁度昼時の時間なのだ

普通なら、作業する相手にご飯を頼むより

外食だが…2人にその発想は無い


「んじゃ、ボアの肉使うか…

 焼く料理ばっかりだったけど…煮込みも良いよなぁ~」

「おま、今から煮込んだら時間かかりすぎだろ!」

「そうなんだよな…

 夕飯分を煮込んでみるか…」

「あぁ…それならいいけどよ…」

「まぁ、昼食は肉を薄くスライスしてみるか…」


ユウキは、そう言いながらボアの肉を2つ取り出し

まな板の上で厚さ1cmほどに切り分ける

そして、塩をふりかけ…

キノコも取り出し、食べやすい大きさに切っていく

まずは、肉をフライパンの上で焼いていき、キノコを加える

キノコが柔らかくなる頃に、醤油を入れ塩も少々


「ほい、肉とキノコ炒め」

「おぉ、何か違う見た目だと、気分変わるな」

「そうだねぇ~…ずっと丸焼きだったし」

「何で切らなかったんだよ…?」

「面倒だったから~」

「おい!」


ユウキの返答にツッコミを入れているが

キョウヤはそもそも作らないので、人の事は言えないだろう


(ん~…やっぱ、米とか…野菜関係欲しいなぁ…)


この世界では、とても美味しいご飯に入るが

やはり、前の世界での味を知っているキョウヤには、もう少し何とかしたい…

そう思う所があるらしい


(昼寝から起きたら、野菜とか主食…米とか小麦…あるか調べてみるか…)


寝る事が優先なのは、流石キョウヤである

ユウキに食料の話を持ち掛けても、何かのついで…という感じだし

どちらかというと、そこまで野菜は好きな感じでもない

魚には興味を示していたが、今日の冒険の事で飛んでしまっているだろう


(まぁ、男だしな…女子は野菜好きなイメージはあるが…

 どちらにしても、時間が余ってれば、散策がてら探してみるか)


と、思っているキョウヤも男なわけなのだが

そして、ユウキは女なのだけども…

残念ながら、今のところ、キョウヤはユウキが男である事に違和感はないらしい

全く疑っている様子は見られない

そんなボロを出すようなユウキでもないが…

シーヴァとミーシャには異世界人というのはバレたが

性別はバレていないのだ

あの2人が気付かないという事は、ユウキの事をあまり見ていないキョウヤは…

気付くキッカケを掴む事すら、難しいだろう


「よし、洗い物OK

 んで、このラビットの肉2個を水で薄めた醤油の中に入れて

 じっくり煮込む…」

「夕飯楽しみだな~

 さて、俺は寝る」

「木工~木工~♪

 あ、でもその前に薬作らないとだよねぇ~♪」


キョウヤは欠伸をしながら自室へ…

そして、ユウキは道具が沢山置いてある部屋へ入って行った

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